【Elona かたつむり観光客の悲劇 】  第8話  地面にある食べ物は、勝手に食べて良い食べ物だ。

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公開日: 2014年8月11日月曜日 Elona 自作小説


Elona かたつむり観光客の悲劇 】 

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また、死亡したからお嫁さんに怒られた。
しかも、黒猫ちゃんにも怒られた。
今も、腹から触手やウジが見える可愛い黒猫ちゃんがぷんぷん怒っている。

「子供には親がいるにゃっ!
人肉を食べるという事は、人間の恨みを買って人間の敵になるという事にゃっ!
だから、人肉を食べるのはやめて、他の肉を食べるにゃっ!」
他の肉・・・っ?なにそれ怖い。
食べるだけで幻覚症状がでる事もあるから、他の肉は安心できない。
以前、何かの肉を食べた冒険者が拒絶症になり、ゲロを吐いたまま、死亡していて怖かった。
「なら、野菜を食べるにゃっ!
この洞窟に大量に労働力がいるから、農業で自給自足にゃっ!」
農業。やった事はないけれど良いかもしれない。
黒猫ちゃんの話を聞くうちに、役立たずの新人カタツムリ達が役に立って、野菜畑が広がっている光景を妄想できる。
大規模農業地帯のヨウィンみたいな素晴らしい土地になったら、働かなくても暮らせる。
「そうにゃっ!農業で穀物を蓄えとけば完璧にゃっ!
この洞窟に魔法の冷蔵庫があったから、それに全部入れればいいにゃっ!
きっとご主人様の名前が歴史に残る事、確実にゃっ!」
私の名前がカタツムリの歴史に残るかもしれないと思うとワクワクした。
あと、最近、黒猫ちゃんを見ているとムラムラするのは何故だろう。
あの腹から生えている触手がキュートに見えてきた。
ウジが湧いているところがいい。



第8話  地面にある食べ物は、勝手に食べて良い食べ物だ。




かたつむり達を大量に動員して、農業をやってから半年の時間が流れた。
カタツムリ達が汗と血と死体を垂れ流して、平野を開墾し、カタツムリ専用農具まで作った所までは調子が良かった。
今、私の目の前には、人間やモンスターによって作物を食い荒らされた畑が広がっている。
新人カタツムリのほとんどは死に絶えて、新しい世代に世代交代して順調だったが、肝心の結果が手に入らない。
私の隣で黒猫ちゃんも悲しそうにしてる。
「シェルターや複数の洞窟まで作ったのに、こんなのあんまりにゃっ・・・」
カタツムリ達が継続的に働けるような環境を作ったのに、作物を守れないから意味がなくて困った。
鉱山都市が近いせいで、作物を強奪して都市まで売りに行く奴が多い。
黒猫ちゃんが悔しそうに泣いている。
「畑を守れるだけの戦力が必要にゃっ・・・!
でも、そんなのは何処にもないにゃっ・・・!」
ああ、お嫁さんが持ってるイェルス超重力砲でも借りないと畑を守れない。
私達の力ではどうしようもなかった。
「ちょっと、待つにゃっ!
その超重力砲って何なのにゃっ!」
超遠距離に重力で叩き潰す砲弾を叩きこむ素晴らしい防衛部隊なんだ。
自宅が安全地帯なのも、この部隊が近くに陣地を築いて防衛しているおかげだ。
嫁は、大英雄カタツンツンの妹だから、ペットもゴージャス。
夜は淫乱な娼婦なカタツムリ美人。
「借りてくるにゃっー!
なんでそれを早くいわないのにゃっー!」
頭を爪でガリッとやられて痛い。
最近、嫁にも黒猫ちゃんにも頭が上がらなくなってきた。グスン。
しかも、イェルス超重力砲は借りれなかった。自宅を守るので忙しいから、戦力を分散できないらしい。
新しいペットをゲットしないといけない。
出来れば、少数で広大な畑をカバーできる機動力があって、火力が絶大なペットが欲しい。
私は自宅にあったモンスタボールLv100を持ち出して、ダンジョンに潜ろうと思った。







ダンジョンを探すためにティラノ君にのって、黒猫ちゃんとともにダンジョンを探す。
「ダンジョンを探すにゃっ?」
ああ、ダンジョンは地面から地殻変動で勝手に生えてくるから、毎回探さないといけないんだ。
平原にあるダンジョンは、他の探索者や、パルメさんが根こそぎ儲けを強奪しているから不味い。
「・・・・本当に可笑しい世界にゃっ。
もうツッコミは入れないにゃっ。」
黒猫ちゃんが何かを諦めたかのように大人しくしていると、グラグラと地面が揺れた。
定期的に起きる地震だった。
「にゃっー!地震にゃっー!大変にゃっー!」
何故か、黒猫ちゃんが慌てている。
隕石が落ちてくる訳でもないのに、どうしてこんなに焦っているのだろう。不思議だ。
グラグラという揺れとともに、目の前の地面から巨大な塔が生えてきたりする事にも驚いていて不思議だ。
「可笑しいにゃっー!こんなのを地殻変動扱いするのは可笑しいにゃっー!
普通に可笑しいにゃっー!
きっと、大陸の地下に古代文明の遺産とか、そんなのがあるにゃっー!」
地面から塔や森が瞬時に生えてくるのは常識すぎて困る。
一般常識ないと生活できないよ?
こういうやり取りを数分続けている間に、塔が完全に地面から生え終える。
青くて黒そうな頑丈そうな外壁が素晴らしい。
今なら、アイテムを独占し放題だ。
早速、入り口へと向けてティラノ君の足を進ませて、私達は中に入る。
そうすると入り口近くに、恐ろしい存在がいた。
この前、雑誌で見たイラストそっくりの化物がいる。
砲塔の周りを複合装甲で身に纏い、高速移動できるようにキャタピラがついているイェルスで作り出された機械兵器『ゼイレン自走雷撃砲』だった。
出あったら逃げられない。
奴の速度は私の6倍っ!
【ターゲットを確認っ!これより砲撃を開始するっ!】
ぎゃあああああああああああああああああっ!!!!
雷がいだいいいいいいいいいいいいっ!!!
攻撃ずら視認できないいいいいいいいいいいいっ!!!!!!!
あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!
【ターゲットを撃破っ!次の目標に移るっ!】
「にゃっー!」
【撃破完了っ!・・・なんだ、ただの猫か。】





また死んだ。グスン。
でも、ゼイレン自走雷撃砲格好良い。欲しい。あの戦車とか言われてる外見がいい。
嫁さんに今日も怒られながらそう思った。
黒猫ちゃんの蘇生費用もかかって、出費が多い。
最近、農業にかまけていたせいで、お金を稼いでないから困った。
冷蔵庫の中にあった人肉が美味しい。むーしゃーむしゃー

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