【エルフ娘と妖精さんの世にも不思議な旅 】 (3国外目) 旅のマニュアル(エルフ仕様) 後篇

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公開日: 2014年8月29日金曜日 ラッキーの不思議な旅 自作小説



前にゆっくり戻るよ! ゆっくり次に進むよ!
無職エルフ

エルフ娘と妖精さんの世にも不思議な旅


(3国外目) 旅のマニュアル(エルフ仕様) 後篇


あれから、私は少年と一緒に複数の国を巡った。
どれもこれも可笑しくて楽しい。
何かある度に、少年は悲鳴をあげて驚いてくれる。
妖精さん以外にも、私と旅をしてくれる人が居て、嬉しかった。
時折、夜に合体してこようとする所が迷惑だったが、それ以外を除けば楽しい。

「お譲さん。
あんたは、ただもんじゃないな!
姉御と呼んでもいいか?」

「好きに呼べ。人間」

「おいおい!
俺の名前は●●●●だぜ?
そろそろ名前を覚えてくれよ!」

「ああ、わかった。
人間」

この後、私はこの人間の名前くらいは覚えておけば良かったと思った。








次に行った国は、周りの国々と戦争をしている軍事大国、国に近付く人間がいるだけで銃撃してくる。
そんな有り触れた国だった。
今、私の目の前で少年が頭を狙撃されて、血を流して、死んでいる。 
もう、少年は動かない。
ああ、人間はなんて脆いんだ。
楽しい存在だけど、すぐ死ぬ。
私は次々と飛んで来る銃弾を風のバリアーで防御しながら、近くにあった黄色い花を摘み取り、少年の死体の上に添えた。

「短い旅だったな。少年。」

名前も過去も知らない。
ただ、短い間、一緒に居ただけで、気になる人間だった。
私の旅は、知的好奇心から始まったものだが、この少年は何のために旅をしていたのだろう。
死者と対話する魔法はあるが、働かない国(1国目)と違い、少年の魂はこの場には既にない。
記憶がまっさらになるまで虐待される地獄に連れていかれたのだろう。
働かない国の場合は、科学が発展しすぎて、宗教そのものが消滅して神様も消えていたようだから、そこら中に魂が漂っていたが、この地域には神様がちゃんといる。
人間を地獄に叩きこむ神様が。

「ねぇ、ラッキー。
なんで涙を流してるの?」

可笑しいな。
悲しくないはずなのに、涙が出てる。
人間の死は有り触れていて珍しくないのに、少年の死に涙をするのは可笑しい。
あの少年と居た時間が、いつもよりも楽しかったのが原因かもしれない。

「悲しいなら、旅をやめる?ラッキー。
故郷の森なら、皆、死ななくて平和だよ?」

いや、旅は続けるよ。妖精さん。
悲しい事も、楽しい事もある。
それがきっと旅なんだ。
私は少年のバイクだけを召喚魔法で別荘に転送して、場から立ち去った。
背後からは、銃弾が幾つも飛んできたが無視した。
ちょっと、久しぶりに神様を殺してくる。

「やめてよぉー!ラッキー!
さすがにそれは危ないから駄目ぇー!」




おしまい




(´・ω・`)この小説、童話形式だから、三人称の方が良かった気がしてきたから、明日になったら小説家になろうに掲載されている一人称の話は全部削除して、3人称の方を載せるどん。
この内容で感情描写してもうざいだけな気がしてきた。



なんて事でしょう!
ラッキーが見た光景は、ライオンが少年の頭に齧りついていたのです。
甘噛みではありません。
殺す気で噛んでいます。
その凄惨な光景を見て、ラッキーは笑いました。



前にゆっくり戻るよ ゆっくり次に進むよ!
無職エルフ

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