ぷろろーぐ ~廃人ニートは辛いお~

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公開日: 2015年1月28日水曜日 自作小説 迷宮都市の王さま ~国家運営したいのに迷宮が邪魔すぎる件~






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迷宮都市の王 ~ダンジョン利用して都市運営~HP
俺は40歳の住所不定の無職ニート。
人生に大後悔しながら、ネットカフェでネットゲーに嵌っているナイスブサメンだ。
つい5年ほど前までは、工場で刺身の上にタンポポをのせる仕事に就いていたのだが、機械化の波がとうとう【刺身の上にタンポポをのせる仕事】にも押し寄せて来て、俺の仕事を奪ったんだ。

上司「あ、お前の仕事は明日から機械が全部やってくれるから解雇するわ」

俺「あ、はい、そうですか。
今までありがとうございます!」

上司「おう、次の職場頑張れよ。
こんな低賃金で未来がない仕事はするなよ!」

解雇された日、寮の自室で泣いて泣きまくった。
人の役にたつと思って、毎日毎日、刺身の上にタンポポをのせる仕事を頑張ってきたのに時給は600円。
簡単な仕事に見えるかもしれないが、仕事に慣れるまで大変だったんだぞ。
常に同じ作業を朝9時~夕方の17時か21時まで繰り返すんだ。
最初の1年間は、この作業をしながら自殺を常に考えて死にそうな気分だったんだぞ。
単調な仕事はな。人間の精神そのものを殺してしまうほどに過酷なんだ。
一回、工場で働いてみろ。
精神も身体も崩壊しそうになるぞ。

1年目の俺「何のために生きてるんだっけ?死にたい。毎日毎日こんな仕事嫌だ……」

3年目の俺「そうだ、俺は機械だ。機械だと思え。刺身の上にタンポポを載せるために生きてきたんだ」

5年目の俺「こんな辛い仕事をやれる俺格好いい……」

10年目の俺「刺身の上にたんぽぽ、刺身の上にたんぽぽ、刺身の上にたんぽぽ、刺身の上にたんぽぽ」

15年目の俺「たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ、たんぽぽ」

機械じゃないとやれないような単純作業を、ずーとずーと繰り返して頑張ってきたんだ。
しかも、週休1日制度。
そんなに頑張った俺を会社は解雇した。
人間がやったら発狂しちゃうような単純作業を長年やらせた末に捨てやがったんだ!
最初は頑張ったら正社員に登用してあげるよ!とか言っていたのに嘘をついたんだ!
派遣社員だから退職金もなし!
再就職先を探そうにも、この大不況!
単純労働だけをしていた35歳のオッサンを雇う所なんてほとんどなかった。

俺「職歴 フリーターです」

面接官「35歳までフリーターとか今まで何やってたんですか?」

俺「刺身にたんぽぽを載せる仕事をずーとやってました!」

面接官「次のご活躍をご期待しております」

どこに行っても就職できない。
職歴を言う度に笑われる。
人生に絶望したね。
正直者の努力家が報われないこの社会間違っていると思ったね。
努力しても報われない。
現実はクソゲー。
そんな時、俺は絶望的な状況の中、とあるネットゲーに出会った。
ダンジョン探索ネットゲーム【ERONA(エロナ)】。
簡単に説明すると、ゲームのあちこちにダンジョンがあって、そこで地道に作業(モンスターを殺す)を繰り返していたら、レベルが上がってキャラがどんどん強くなるゲーム。
俺は感動した。
ああ、努力が報われる世界なんだなって。
それからは、【刺身の上にタンポポをのせる仕事】と同じ感覚でモンスターを倒してレベル上げをする毎日が待ち受けていた。
常人がやったら気が狂うような単純作業の繰り返しだが、俺には工場で培われた根性がある。
最初の1年で廃人ゲーマーの仲間入りをし。(廃人=現実を放棄してゲームにのめり込むダメ人間の事)
次の1年で廃人達の中で中堅と呼ばれるほどに俺のキャラは強くなり。
残りの3年で俺はとうとう廃人ゲーマーのトップへと躍り出た。
運営も俺の廃人っぷりに恐れをなし、大天使という専用種族を作ってくれて優遇してくれるほどに俺の人生は輝いていた。
ゲームの世界は良い。
努力が完全に報われる。
現実とは違って素晴らしい。



……ああ、わかってるよ。
これが現実逃避だってな。
所詮、今じゃ財産もほとんど尽きた無職ニートさ。
5年間育て上げたキャラを売れば、1億円の大金が手に入るらしいが、俺はこれだけは手放しちゃいけないと思った。
無意味かもしれない人生に意味を与えてくれたのが、ネットゲーだったんだ。
ネットゲーに接続するためのお金がなくなった時が俺の人生の終わり。
俺にとってネットゲーの世界が現実。
こっちの方の現実じゃ【刺身の上にタンポポをのせる仕事】しか出来なかった俺が、あの世界では【最強の冒険者様】。
さぁ、残り一ヶ月分、ネットゲーをやるお金がある。
これでネカフェに泊り込もう。
金がなくなったら、その時、考えれば良いんだ。
装備やアイテムをネットで売れば、1000万円くらいの価値はあるはずだ。
そう思って、ファミレスの扉を開けて外に出ると、トラックに轢かれそうになっている小さい女の子が道路に居た。
女の子は自分が轢かれそうになっている事に気づかず、笑顔で道路を歩いて横断している。
咄嗟の事に俺の身体が動いた、走った、突進した、女の子を安全地帯に向けて突き飛ばしたら、次の瞬間、俺の目の前にトラックが迫ってくる。
走馬灯という奴なのか、俺の主観時間はとてもゆっくり動いた。
ああ、俺の人生はこうやって人を助けるためにあったんだと感謝するだけの時間が出来た。
ありがとう。名も知らない小さい女の子。
 俺 の  人 生 、 意 味 あ っ た !
 俺  は 君 を 助 け る た め に 産 ま れ て き た んだ !

ガシャンっ!

この日、俺の体は初めて空を大きく飛んだ。
人生最初にして最後の飛行だった。
ゴールはコンクリート。
落下すれば俺の頭は卵のように割れるだろう。
こうして、40年の短い人生を終える事が出来た。





あとがき

(´・ω・`)トラックに弾かれるのはテンプレでそうろう。
なぜ、このテンプレが昔からあるのか謎でござる。
やはりトラックの巨大さは、人を殺すに十分すぎるエネルギーを持っているせいか?

【小説家になろう】 異世界転生そのものを丁寧に書くと、長すぎて辛い。
http://suliruku.blogspot.jp/2014/11/blog-post_10.html





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6 件のコメント :

  1. (´・ω・`)なぜ、こんな低賃金のバイトをしているんだろう。この主人公


    現実(´・ω・`)自動車の部品を扱う単純作業なら、時給1000円以上は固いんだね。わかんだよー

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  2. ( ´・ω・)つ 自動車絶望工場

    返信削除
  3. なろうの 「トラック人生多すぎだろ! ~トラックの運ちゃんたちが泣いてます~」
    は軽いホラーでしたね。

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    1. トラックの運ちゃん(´・ω・`)たくさん働いたのに事故って、その賠償金で人生オワタ

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    2. 撃ち間違えです、トラック転生多すぎだろ 
      でした。

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マザーテレサ(ノ●ω●) 人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。 自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。