2話 初代首相タヌキモンがやってきた!
5 件のコメント :
公開日: 2015年2月22日日曜日 TS ナポレオン帝国の野望 自作小説
前にゆっくり戻るよ! | ゆっくり次に進むよ! |
文官ってなーに?
軍事をつかさどる官職を武官、文治をつかさどる官職を文官と言います。
組織は大きくなると、書類を使って大勢の人間を効率よく動かす必要が出てくるので、文官が必要なのです。
つまり、書類仕事が嫌いな人間は、文官には向いておりませんな。
by 初代首相タヌキモン
【妖狐エミール視点】
清々しい朝。
窓の外を見ると、今日はとても良い陽気です。
こういう日は散歩したり、日向ぼっこしたりすると気持ちいいですが、辺境伯領は好景気に湧いて次から次へと仕事が発生し、今日も大量の書類仕事が待っています。
僕は、ゆったりとした白い着物を着て、鏡の前でビシッと服装を整えた後、マスターが寝ている隣の部屋の扉を開けました。
「ら、らめぇ……そんなにおっぱいを揉んじゃらめぇなのぉ……。
も、揉むのやめて吸いつくのもらめぇ……私……男なのに可笑しくなっちゃうよぉ……。
二つの乳首を同時に吸っちゃらめぇなのぉ……気持ちよくて……後戻りできなくなっちゃうよぉ……・
らめぇぇぇぇ………女の子の快楽をこれ以上教えちゃらめなのぉぉぉぉ……」
……マスターが、ベットの上でパジャマを脱ぎ散らかし、ほぼ全裸の格好で寝言を呟いていました。
母性溢れる豊かな胸は全く隠されておらず、美しい裸体は露出し、黄と白の縞々パンツしか履いてません。
逆にここまで露出が激しいと、僕としては萌えないので残念です。
最初はマスターのこの姿を見て心臓が不思議とドキドキしましたが、今は落ち着きながら見れるくらいに慣れました。
巨乳って素敵ですよね。毎日見てますが癒されます。
僕はマスターの胸に触れないように肩を手で掴み、身体を揺すりました。
「マスター!起きてください!
朝ですよー!
ブタマン帝国軍で性奴隷やっていたのは2年前ですよ!!?」
「むにゃむにゃ……。
らめぇ……私の身体が濡れて準備が整ったからってぇ……身体を持ち上げて二穴挿入はらめぇ……。
オークさん……そんなに激しくしたら私の体が壊れちゃうのぉ……。
女の子らしい口調にするかららめぇ……豚の子供を孕むのいやぁ……駄目ぇ……。
中に出すのはらめぇなのぉ……。
男の口調やめるから……らめぇ……出すのはらめぇ……妊娠しちゃうよぉ……いやぁ……また……中に出されちゃった……悔しい……」
どうやらブタマン帝国軍で性奴隷をやっていた頃の事を、悪夢という形で見ているようです。
男の僕にはマスターの気持ちはわかりませんが、砦での陵辱の日々がトラウマになっているんだと思います。
初めて僕とマスターがあった2年前の時、マスターの天女のように美しい身体はオークの子種でグチョグチョでした。
敬愛するマスターが、女性として死ぬよりも酷い目にあった、それだけでオークが憎くて仕方ありませんが、きっと時間がマスターの心を癒してくれる。
そう僕は信じて、起こす作業を継続しました
「マスター!起きてくださいー!
あなたが寝ると、領民が路頭に迷いますー!」
「……………………うーん、今日もエッチィ酷い夢を見た気がする」
マスターが眠そうな顔のまま起きました。
周りに散らかっているパジャマを放置して、部屋にある棚から白衣と赤い袴を取り出し、いつものようにゆっくり履いていきます。
まず白衣を着て上半身を覆い、その次に赤い袴を着て帯でビシッと締めました。
昔は、寝癖が悪くて髪がボサボサになることが多かったのですが、最近のマスターは寝方を工夫して、髪をベットの上で逆さにしてから眠っているため、寝癖が全くつかなくなって女性らしい振る舞いが増えた気がします。
冒険者とペットは髪の品質を良い状態でずっと維持する謎の生態があるので、マスターは今日も黄金のように美しいストレートヘアーです。
世界一美しい毛並みを持つ妖狐だと、僕は断じる事ができます。
毎日のようにマスターの尻尾をモフモフして、独占できる僕は幸せ者に違いありません。
マスターは着替えが終わった後、食堂へと向かい、女冒険者の料理人キム・ミンメイさんが作ったサンマ定食を僕と一緒に仲良く食べました。
サンマ定食は美味しい焼きサンマ、ご飯、味噌汁で構成された料理です。
美味しいことは美味しいのですが裕福な平民なら毎日食べられる程度の料理に過ぎません。
マスターはもっと贅沢できる身分なのに質素な食生活を重んじ、領民のために毎日を頑張っていて凄いです。
……僕がいないとズボラな駄目領主になりそうな気がしますが、気のせいですよね?
「今日もサンマー美味しいね。ミンメイさんありがとうー」
「どうもどうも、一緒に性奴隷やっていた時にミーニャン様に助けられた恩を返しているだけアル!」
「あはははは、中国人キャラの真似が好きだねー」
「中国料理は世界一イイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」
ミンメイさんは、料理が上手いのですが、たまに変な奇声をあげるので変人だと思います。
きっと、ブタマン帝国軍で性奴隷として酷い扱いを受けて、頭のネジが狂ってしまったのでしょう。
食事を終えた後は、館の周りを歩く朝散歩の時間です。
人間は日光を浴びないと駄目になるので、仕事の前にこのような時間を設けています。
ミーニャン辺境伯領は砂漠地帯が多い荒れ果てた土地ですが、マスターの手腕は素晴らしく、遺跡を改造して作った都市スエズは人口2000人ほどの小さな都市へと急成長を遂げました。
この館からは石作りの街並みが手に取るように見えて、とても良いデートスポット……げふんげふん。
素晴らしい散歩コースなんです。
あと、都市の北を行けば地中海、南に行けば紅海と呼ばれる海があり、そこで僕達が食べるサンマを付近の漁村が大量に捕獲して、この都市へと運搬しているんです。
将来的には双方の海に大規模な港を整備して、交易が出来たらいいのですが、辺境伯の保有する兵力が少ないから守れないんですよね。
もっと優秀な文官と武官を増やさないと、辺境伯領の急成長は望めません……そうやって僕が頭を悩ませながら歩いていると、マスターは呑気そうな笑顔であちこちを見ながら
「散歩は楽しいねー」
「はい、マスター。
僕も散歩は楽しいです」
「……こういう日がずっと続けばいいんだけどねー」
「続きますよ、マスターならそれができます」
「本当にそうかな?」
「マスターはこの2年で、ほとんど廃墟だらけだった辺境伯領を再建して、都市スエズまで作ったじゃないですか。
もっと自信を持ってくださいよ。
ミーニャン辺境伯領はもっともっと成長します。
優秀な文官と武官を雇えば全ての問題が解決……あ」
「……そうだよね。
あとの問題は人材の少なさだよね。
ここって最前線のすぐ傍だから、ヨーロッハ帝国からほとんど人材来ないし、どうしよう」
マスターの狐耳がペタンッと下に垂れました。
僕としてはずっと笑顔のまま暮らして欲しいのですが、辺境伯領は金もない、人材もない、軍事力も少なくて大変なんです。
マスターを明るくするためには、もっともっと僕が軍事と書類仕事を頑張って、冒険者を勧誘しないと駄目だなって思いました。
好きな人を不幸にしたくありません。
ですからお願いです。神様。
辺境伯領に人材を下さい。
【ミーニャン視点】
エーミル君は本当に良い子だ。
彼の外見年齢は12歳くらいだけど、実年齢は1200歳のショタジジイ……げふんげふん。
私みたいな人生経験が浅くて、ずぼらな娘の面倒を見てくれる。
彼には返せないほどに恩がある。
もしもブタマン帝国軍の砦にエーミル君が助けに来てくれなかったら、私は未だに牢屋で性奴隷として暮らして、オークの子供を孕んでアヘ顔ダブルピースして、それなんてエロゲーという状態になっていたはずなんだ。
この恩を何時か、何らかの形で返したいけど、未だに検討がつかない。
エミール君は私のペットになって本当に良かったのだろうか?
モフモフタイムの時、彼は私の大きな尻尾に抱き着いてモフモフして幸せそうだけど、無報酬で軍事と書類仕事をやらせているから、私の心が罪悪感で痛い。
エミール君、ごめんね。
辺境伯領の財政に余裕がないから、節約するために給料未払いで本当にごめんなさい!
あー、お金が欲しいな~。空からお金降ってこないかなー?
ここは最前線だから、ヨーロッハ帝国は投資してくれないし、困ったよ~。
もっと軍事力を持つ事が出来れば、安全な土地だと思われて、投資されるんだろうけど、強い軍事力を維持するための財源がないし、出来ない事だらけで困ったよ。
ここって現実だと世界中に石油を輸出している中東諸国がある場所だから、きっとこの世界でも穴を掘れば油田がたくさんあるんだろうけど、現状の技術力じゃ活用できないんだよね。
チート技術者が欲しいなぁ。
頭の中が少し憂鬱な散歩の時間が終わり、館へと戻ると、館の前に青い狸がいた。
小さい子供のような背丈だが、二足歩行で歩いていて太っているとしか思えないほどに身体全体が丸い。
青狸は私の姿を見ると笑顔を浮かべて話しかけてきた。
「おお!
あなた様はミーニャン・イスラ辺境伯様ですな!
活躍のほどは窺っております!
なんでもブタマン帝国軍の砦を破壊し、囚われていた多くの女性を助けたとか!」
いえ、その女性たちと一緒に牢屋でアヘ顔で性奴隷やっていた側です、私。
そんな事実は恥ずかしくて言えない。
私は曖昧に肯定する事にした。
「え、ええ、そうですが青狸さんは誰なので?」
「失礼しました。
私の名はタヌキモン。
ミーニャン辺境伯様の文官として働きたく、遥か遠方からやってきた冒険者です」
タヌキモンが頭を下げてきた。
やだ、可愛い。この子も毛がモフモフしてる。
抱き枕にしたい……おっと、今は話を聞くのが先だった。
「タヌキモンさんは文官になりたいの?」
「はい、こう見えても現実で政治家になるために頑張っていた身。
政策をサポートできますかと。
この地の事を調べましたが、将来の人口増加の事を考え、ナイル川にダムを作って砂漠を農地化するのがよろしいと思います。
ダムを作ると下流で土壌の露出、寄生虫が発生するなどの問題がありますが、暗黒大陸アフリは時空すら歪んだ狂気の大地、今更災厄の一つや二つ増えたところで何の問題もなく、ダムを大量に作って農業をやりたい放題だと考察しました。
治水は遥か古来から為政者の権威を分かりやすく人民に見せ付けられる公共工事という事もあり、完成の暁には人民はますます閣下への信頼を厚くし、今以上の名声を得れると私は思」
言葉の途中だったけど、私は嬉しくなってタヌキモンに抱きついた。
ああ、やっぱりモフモフしてる。
狸の毛皮もいいなぁ。
青い狸って新鮮。現実では絶対存在しない色の毛皮だけど、抱き心地がとってもいい。
突然の事にタヌキモンが慌てていたけどまぁいいや。
「ミーニャン辺境伯!?
な、何をなされるので?!」
「……やっと有能っぽいモフモフな文官が来た!
これで仕事が楽できる!
人材が足りなくて困っていたんだ!」
「つまり私は採用という事で?」
「うん、採用。
なんか有能そうだもの。
政治家を志望していたって事は、地球の官僚制とか理解しているって事でいいのかな?」
「はい、物事を合理的に成し遂げるために作られた官僚制は(1)規則による規律の原則、(2)明確な権限の原則、(3)明確な階統構造の原則、(4)行政手段の分離の原則などから成り立っており、地球の現代国家を運営するには必要不可欠なものであります。
ただし、柔軟性に欠けるので環境変化が厳しい乱世ですと対応できない事が多いのが欠点ですな」
「よし!厚遇で採用決定!」
狸の毛皮はサワサワしてて、エミール君の狐の毛とは違う感触が気持ちいい。
私は突然の事態に戸惑うタヌキモンの小さい体を両手で持ち上げて高らかに宣言した。
「あなたは今日から私の補佐として働いてもらうよ!」
モフモフな人材ゲット!
……専制君主としての自分に、そろそろ限界を感じてきたから官僚制をやって欲しいんだよね。
いやまぁ、民主主義よりも専制君主制の方が改革を素早く進められて便利だなぁーって思ったけど、私、名君じゃないと思うし。
あとがき
世界地図+世界帝国紹介
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Mofumofu_teikoku/tiiki.html
(´・ω・`)なお創作物の官僚制の弊害はこんなイメージ
伝令兵(´・ω・`)前線から緊急の情報を持ってきた!
官僚A(´・ω・`)わかった。規則通りに対応するからゆっくり待て。ゆっくり書類を書いたあとに官僚Bに渡す
伝令兵(´・ω・`)ふざけんな!早くしろ!
官僚B(´・ω・`)有給休暇中です。明日まで待ってください。
伝令兵(´・ω・`)
官僚B(´・ω・`)情報を処理する頃には手遅れになってもうた。
官僚制は平時だと合理的やけど、乱世やと環境変化が激しすぎて適応できないから大変なんやで。
軍事をつかさどる官職を武官、文治をつかさどる官職を文官と言います。
組織は大きくなると、書類を使って大勢の人間を効率よく動かす必要が出てくるので、文官が必要なのです。
つまり、書類仕事が嫌いな人間は、文官には向いておりませんな。
by 初代首相タヌキモン
【妖狐エミール視点】
清々しい朝。
窓の外を見ると、今日はとても良い陽気です。
こういう日は散歩したり、日向ぼっこしたりすると気持ちいいですが、辺境伯領は好景気に湧いて次から次へと仕事が発生し、今日も大量の書類仕事が待っています。
僕は、ゆったりとした白い着物を着て、鏡の前でビシッと服装を整えた後、マスターが寝ている隣の部屋の扉を開けました。
「ら、らめぇ……そんなにおっぱいを揉んじゃらめぇなのぉ……。
も、揉むのやめて吸いつくのもらめぇ……私……男なのに可笑しくなっちゃうよぉ……。
二つの乳首を同時に吸っちゃらめぇなのぉ……気持ちよくて……後戻りできなくなっちゃうよぉ……・
らめぇぇぇぇ………女の子の快楽をこれ以上教えちゃらめなのぉぉぉぉ……」
……マスターが、ベットの上でパジャマを脱ぎ散らかし、ほぼ全裸の格好で寝言を呟いていました。
母性溢れる豊かな胸は全く隠されておらず、美しい裸体は露出し、黄と白の縞々パンツしか履いてません。
逆にここまで露出が激しいと、僕としては萌えないので残念です。
最初はマスターのこの姿を見て心臓が不思議とドキドキしましたが、今は落ち着きながら見れるくらいに慣れました。
巨乳って素敵ですよね。毎日見てますが癒されます。
僕はマスターの胸に触れないように肩を手で掴み、身体を揺すりました。
「マスター!起きてください!
朝ですよー!
ブタマン帝国軍で性奴隷やっていたのは2年前ですよ!!?」
「むにゃむにゃ……。
らめぇ……私の身体が濡れて準備が整ったからってぇ……身体を持ち上げて二穴挿入はらめぇ……。
オークさん……そんなに激しくしたら私の体が壊れちゃうのぉ……。
女の子らしい口調にするかららめぇ……豚の子供を孕むのいやぁ……駄目ぇ……。
中に出すのはらめぇなのぉ……。
男の口調やめるから……らめぇ……出すのはらめぇ……妊娠しちゃうよぉ……いやぁ……また……中に出されちゃった……悔しい……」
どうやらブタマン帝国軍で性奴隷をやっていた頃の事を、悪夢という形で見ているようです。
男の僕にはマスターの気持ちはわかりませんが、砦での陵辱の日々がトラウマになっているんだと思います。
初めて僕とマスターがあった2年前の時、マスターの天女のように美しい身体はオークの子種でグチョグチョでした。
敬愛するマスターが、女性として死ぬよりも酷い目にあった、それだけでオークが憎くて仕方ありませんが、きっと時間がマスターの心を癒してくれる。
そう僕は信じて、起こす作業を継続しました
「マスター!起きてくださいー!
あなたが寝ると、領民が路頭に迷いますー!」
「……………………うーん、今日もエッチィ酷い夢を見た気がする」
マスターが眠そうな顔のまま起きました。
周りに散らかっているパジャマを放置して、部屋にある棚から白衣と赤い袴を取り出し、いつものようにゆっくり履いていきます。
まず白衣を着て上半身を覆い、その次に赤い袴を着て帯でビシッと締めました。
昔は、寝癖が悪くて髪がボサボサになることが多かったのですが、最近のマスターは寝方を工夫して、髪をベットの上で逆さにしてから眠っているため、寝癖が全くつかなくなって女性らしい振る舞いが増えた気がします。
冒険者とペットは髪の品質を良い状態でずっと維持する謎の生態があるので、マスターは今日も黄金のように美しいストレートヘアーです。
世界一美しい毛並みを持つ妖狐だと、僕は断じる事ができます。
毎日のようにマスターの尻尾をモフモフして、独占できる僕は幸せ者に違いありません。
マスターは着替えが終わった後、食堂へと向かい、女冒険者の料理人キム・ミンメイさんが作ったサンマ定食を僕と一緒に仲良く食べました。
サンマ定食は美味しい焼きサンマ、ご飯、味噌汁で構成された料理です。
美味しいことは美味しいのですが裕福な平民なら毎日食べられる程度の料理に過ぎません。
マスターはもっと贅沢できる身分なのに質素な食生活を重んじ、領民のために毎日を頑張っていて凄いです。
……僕がいないとズボラな駄目領主になりそうな気がしますが、気のせいですよね?
「今日もサンマー美味しいね。ミンメイさんありがとうー」
「どうもどうも、一緒に性奴隷やっていた時にミーニャン様に助けられた恩を返しているだけアル!」
「あはははは、中国人キャラの真似が好きだねー」
「中国料理は世界一イイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」
ミンメイさんは、料理が上手いのですが、たまに変な奇声をあげるので変人だと思います。
きっと、ブタマン帝国軍で性奴隷として酷い扱いを受けて、頭のネジが狂ってしまったのでしょう。
食事を終えた後は、館の周りを歩く朝散歩の時間です。
人間は日光を浴びないと駄目になるので、仕事の前にこのような時間を設けています。
ミーニャン辺境伯領は砂漠地帯が多い荒れ果てた土地ですが、マスターの手腕は素晴らしく、遺跡を改造して作った都市スエズは人口2000人ほどの小さな都市へと急成長を遂げました。
この館からは石作りの街並みが手に取るように見えて、とても良いデートスポット……げふんげふん。
素晴らしい散歩コースなんです。
あと、都市の北を行けば地中海、南に行けば紅海と呼ばれる海があり、そこで僕達が食べるサンマを付近の漁村が大量に捕獲して、この都市へと運搬しているんです。
将来的には双方の海に大規模な港を整備して、交易が出来たらいいのですが、辺境伯の保有する兵力が少ないから守れないんですよね。
もっと優秀な文官と武官を増やさないと、辺境伯領の急成長は望めません……そうやって僕が頭を悩ませながら歩いていると、マスターは呑気そうな笑顔であちこちを見ながら
「散歩は楽しいねー」
「はい、マスター。
僕も散歩は楽しいです」
「……こういう日がずっと続けばいいんだけどねー」
「続きますよ、マスターならそれができます」
「本当にそうかな?」
「マスターはこの2年で、ほとんど廃墟だらけだった辺境伯領を再建して、都市スエズまで作ったじゃないですか。
もっと自信を持ってくださいよ。
ミーニャン辺境伯領はもっともっと成長します。
優秀な文官と武官を雇えば全ての問題が解決……あ」
「……そうだよね。
あとの問題は人材の少なさだよね。
ここって最前線のすぐ傍だから、ヨーロッハ帝国からほとんど人材来ないし、どうしよう」
マスターの狐耳がペタンッと下に垂れました。
僕としてはずっと笑顔のまま暮らして欲しいのですが、辺境伯領は金もない、人材もない、軍事力も少なくて大変なんです。
マスターを明るくするためには、もっともっと僕が軍事と書類仕事を頑張って、冒険者を勧誘しないと駄目だなって思いました。
好きな人を不幸にしたくありません。
ですからお願いです。神様。
辺境伯領に人材を下さい。
【ミーニャン視点】
エーミル君は本当に良い子だ。
彼の外見年齢は12歳くらいだけど、実年齢は1200歳のショタジジイ……げふんげふん。
私みたいな人生経験が浅くて、ずぼらな娘の面倒を見てくれる。
彼には返せないほどに恩がある。
もしもブタマン帝国軍の砦にエーミル君が助けに来てくれなかったら、私は未だに牢屋で性奴隷として暮らして、オークの子供を孕んでアヘ顔ダブルピースして、それなんてエロゲーという状態になっていたはずなんだ。
この恩を何時か、何らかの形で返したいけど、未だに検討がつかない。
エミール君は私のペットになって本当に良かったのだろうか?
モフモフタイムの時、彼は私の大きな尻尾に抱き着いてモフモフして幸せそうだけど、無報酬で軍事と書類仕事をやらせているから、私の心が罪悪感で痛い。
エミール君、ごめんね。
辺境伯領の財政に余裕がないから、節約するために給料未払いで本当にごめんなさい!
あー、お金が欲しいな~。空からお金降ってこないかなー?
ここは最前線だから、ヨーロッハ帝国は投資してくれないし、困ったよ~。
もっと軍事力を持つ事が出来れば、安全な土地だと思われて、投資されるんだろうけど、強い軍事力を維持するための財源がないし、出来ない事だらけで困ったよ。
ここって現実だと世界中に石油を輸出している中東諸国がある場所だから、きっとこの世界でも穴を掘れば油田がたくさんあるんだろうけど、現状の技術力じゃ活用できないんだよね。
チート技術者が欲しいなぁ。
頭の中が少し憂鬱な散歩の時間が終わり、館へと戻ると、館の前に青い狸がいた。
小さい子供のような背丈だが、二足歩行で歩いていて太っているとしか思えないほどに身体全体が丸い。
青狸は私の姿を見ると笑顔を浮かべて話しかけてきた。
「おお!
あなた様はミーニャン・イスラ辺境伯様ですな!
活躍のほどは窺っております!
なんでもブタマン帝国軍の砦を破壊し、囚われていた多くの女性を助けたとか!」
いえ、その女性たちと一緒に牢屋でアヘ顔で性奴隷やっていた側です、私。
そんな事実は恥ずかしくて言えない。
私は曖昧に肯定する事にした。
「え、ええ、そうですが青狸さんは誰なので?」
「失礼しました。
私の名はタヌキモン。
ミーニャン辺境伯様の文官として働きたく、遥か遠方からやってきた冒険者です」
タヌキモンが頭を下げてきた。
やだ、可愛い。この子も毛がモフモフしてる。
抱き枕にしたい……おっと、今は話を聞くのが先だった。
「タヌキモンさんは文官になりたいの?」
「はい、こう見えても現実で政治家になるために頑張っていた身。
政策をサポートできますかと。
この地の事を調べましたが、将来の人口増加の事を考え、ナイル川にダムを作って砂漠を農地化するのがよろしいと思います。
ダムを作ると下流で土壌の露出、寄生虫が発生するなどの問題がありますが、暗黒大陸アフリは時空すら歪んだ狂気の大地、今更災厄の一つや二つ増えたところで何の問題もなく、ダムを大量に作って農業をやりたい放題だと考察しました。
治水は遥か古来から為政者の権威を分かりやすく人民に見せ付けられる公共工事という事もあり、完成の暁には人民はますます閣下への信頼を厚くし、今以上の名声を得れると私は思」
言葉の途中だったけど、私は嬉しくなってタヌキモンに抱きついた。
ああ、やっぱりモフモフしてる。
狸の毛皮もいいなぁ。
青い狸って新鮮。現実では絶対存在しない色の毛皮だけど、抱き心地がとってもいい。
突然の事にタヌキモンが慌てていたけどまぁいいや。
「ミーニャン辺境伯!?
な、何をなされるので?!」
「……やっと有能っぽいモフモフな文官が来た!
これで仕事が楽できる!
人材が足りなくて困っていたんだ!」
「つまり私は採用という事で?」
「うん、採用。
なんか有能そうだもの。
政治家を志望していたって事は、地球の官僚制とか理解しているって事でいいのかな?」
「はい、物事を合理的に成し遂げるために作られた官僚制は(1)規則による規律の原則、(2)明確な権限の原則、(3)明確な階統構造の原則、(4)行政手段の分離の原則などから成り立っており、地球の現代国家を運営するには必要不可欠なものであります。
ただし、柔軟性に欠けるので環境変化が厳しい乱世ですと対応できない事が多いのが欠点ですな」
「よし!厚遇で採用決定!」
狸の毛皮はサワサワしてて、エミール君の狐の毛とは違う感触が気持ちいい。
私は突然の事態に戸惑うタヌキモンの小さい体を両手で持ち上げて高らかに宣言した。
「あなたは今日から私の補佐として働いてもらうよ!」
モフモフな人材ゲット!
……専制君主としての自分に、そろそろ限界を感じてきたから官僚制をやって欲しいんだよね。
いやまぁ、民主主義よりも専制君主制の方が改革を素早く進められて便利だなぁーって思ったけど、私、名君じゃないと思うし。
あとがき
世界地図+世界帝国紹介
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Mofumofu_teikoku/tiiki.html
(´・ω・`)なお創作物の官僚制の弊害はこんなイメージ
伝令兵(´・ω・`)前線から緊急の情報を持ってきた!
官僚A(´・ω・`)わかった。規則通りに対応するからゆっくり待て。ゆっくり書類を書いたあとに官僚Bに渡す
伝令兵(´・ω・`)ふざけんな!早くしろ!
官僚B(´・ω・`)有給休暇中です。明日まで待ってください。
伝令兵(´・ω・`)
官僚B(´・ω・`)情報を処理する頃には手遅れになってもうた。
官僚制は平時だと合理的やけど、乱世やと環境変化が激しすぎて適応できないから大変なんやで。
前にゆっくり戻るよ! | ゆっくり次に進むよ! |
(´・ω・`)Rー18描写じゃないから平気だもん!
返信削除すでに乙女回路が発動している。元男のTSゲームプレイヤーとはなんだったのか。
返信削除中の人にケモミミの影響か・・・。アインス様と別の意味で怖い存在になりそう。
やはりオークの奴隷時の精神的影響が大きすぎて、レベルアップ時の能力や精神や嗜好に変化が出ている可能性が。
ベータに陵辱され開発された某ヒロインですね。
話が進んでいくうちに、「主人公が転生者である必要はないんじゃないか?」
削除となるのも、異世界転生モノのテンプレなんですね (´・ω・`)
(´・ω・`)異世界転生・俺SUGEEEEEEEEE・性転換は人気要素でそうろう。
削除主人公を女口調にするために、エロゲーイベント使ってお得
パンを焼くのにパン焼き器を使うのは楽ではあるがそれでうまいパンが作れるとは限らんのよねー
削除