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25話 詐欺戦争-7 「敗残兵を追撃せよ 」【LV0の不死王!~骨、ほぉね、ボーン!~】

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公開日: 2016年4月30日土曜日 LV0の不死王 自作小説





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LV0の不死王!~骨、ほぉね、ボーン!~】 ☚纏めたぺーじ


「さすがは陛下っ!偉大なる死の支配者っ!」

高い塔の上で、スケルトンを指揮する立場にあるデスキングが、感激の極みに至っていた。
目の前にいる己の主をひたすら褒め称えている。

「本当の戦上手は、戦わずに勝利すると聞きましたが……実際に実例を見たのは初めてです。
生きている間に、この戦いを見れた事を誇りに思います!
歴史に残る名戦でしたなっ!」

「オイラ達、既に死んでいるっス」

副官のリッチが残酷なツッコミを入れた。

「うるさい!
この歴史的な名場面で無粋な事を言うなっ!
新兵相手に、骨同士でやるスッキリー運動講座をやらせるぞ!」

「それセクハラっスよ!
一応、オイラ、女性ッス!」

「骸骨になった時点で、男女の区別は存在しなくなったのだ!
骨にはチン●もマン●もない!
軍人なら軍人らしく、女である事を捨てろ!」

「いつか、オイラは給料ためてエルフに転生して、軍人を卒業して専業主婦になる予定っス!」

「山賊の娘のお前が専業主婦だとっ……?
生前の顔は知らないが、今の顔を見た事あるのか?
個性の欠片もない骸骨だぞ?
貴様みたいな怖い顔の奴が、嫁になれる訳がないだろう!」

「どうして、そこで驚くっス?
それよりも気になる事があるっス」

リッチの骨の右手が指し示したのは――城壁のあっちこっちに設置された偽の骸骨達だった。
砂漠の風に揺られ、不気味な感じに揺れている。

「なんで、あんな紛い物で人間達は撤退したっス?
このやり方で、数を誤魔化す戦術は、見晴らしが良い砂漠地帯では通用しないはずっスよ?
こういうやり方が成功するのは、障害物がたくさんある地下や、山岳地帯だと思うっス。
そんで、相手が精神的に動揺している短い時間を突いて壊走させないと、見抜かれる確率が上がるっス」

「馬鹿め。
それは前に居た世界の話だろう?
この世界の人間達は、私たちのようなアンデッドを見慣れていないのだ。
つまり、本物か、偽物なのか、見ても区別が付かないっ……!
陛下はそこまで読み切って、昨日の夜の内に、偽の骸骨を設置なされたのだっ……!」

「すごいっス!
相手の数手先を読む頭脳がやばいっス!」

「さらに陛下は、スパイどもを使って、大量の偽の情報を流しておられた。
実働戦力1万を、300万人の大軍に偽装した上で……恐らくは、このような内容を大量に流したのだろう。
スパイAには、『骨の軍勢十万が戦場を迂回し、退路を防ごうとしている』
スパイBには、『骨の軍勢30万が、ピィザ軍の本国へと向けて進撃している』
……この複数の情報が、人間どもの中で巧妙に重なり合い、奴等は心理的に追い込まれたのだ。
このままでは――退路を絶たれて、遠征軍ごと皆殺しにされるとな。
ですよね!ワルキュラ様!」

デスキングは、近くにいるワルキュラに同意を求めた。
ワルキュラは、最もらしく頷き、威厳たっぷりに返答する。

「うむ、その通りだ……。
さすがはデスキング。完璧にこの策を理解しているとはな……さすがはスケルトン大陸軍を指揮する器という事か……」

実際は、ワルキュラは手持ちの兵力が300万人以上だと誤魔化しただけで、特に他の情報工作はしていなかった。

(そうかぁ……その手を使えば、もっと効率よくピィザ軍を壊走させる事が出来たなぁ……
独裁者は相談できる相手が少ないから困る……俺はなんて不幸な独裁者なんだ。
後世の人間達から、きっと、親しみを込めて『可哀想な不幸王』と呼ばれるに違いない……
ああ、肉の身体が欲しい。ルビーちゃんとイチャイチャしたい)

世間の男たちが聞いたら『もっと幸せになる気か!いい加減にしろ!』と言われかねない内容だった。
だが、この妄想に酔って、良い気分になるのはゼロ円でプライスレス。自然環境にやさしい。
しばらく、ワルキュラは妄想の世界でゆっくりしていると――


「……でも、超絶パワーアップした陛下が攻撃すれば、人間の軍勢なんて壊滅していたと思うっス。
小細工が必要な戦場だったス?」

今のワルキュラを激しく動揺させる一言を、リッチが呟いた。

(あばばばばばばばばっ……!)

ワルキュラ自身のLVは0。しかも、人間を殺せない。だから、どう誤魔化せば良いのか分からなかった。
どのような受け答えをしようが、最終的に『どれくらい強くなったのか見たいっス!』と言われたら、全てが破綻する。

(お、俺はどうすれば良いっ……?
正直に答えたら、間違いなく野心を持っている連中が、俺を殺して、この独裁者の椅子を奪うに違いない。
ああ、俺はなんて不幸な骸骨なんだっ……!
ルビーちゃんと穏やかにイチャイチャしたいだけなのにっ……!)

幸い、今のワルキュラの顔は骨だけで構成されている。
内心でどれだけ動揺しようが、ポーカーフェイス状態。相手に心を読まれる事はない。
側近のデスキングが、毎回、勘違いするのも顔が骸骨なせいだ。
ほら、こんな風に――

「リッチっ!
陛下の慈悲がわからないのか!」

「え?」

「確かに、太陽すら従える陛下ならば、人間の軍勢なんぞ、国ごと一撃で粉砕できるだろう。
だが、そうしないのは……私たちに活躍の場を残してくださる、陛下の慈悲なのだ」

「そうだったんスか!?
戦争しながら、臣下の功績を積む場まで残すなんて……陛下の智謀は、どこまで神がかっているっスか!?」

「そうだ!
だから、リッチはもっとっ!陛下に感謝すべきなのだ!
焼いた鉄板の上で、土下座できるくらいになっ!
そうですよね!ワルキュラ様!」

「う、うむ、その通りだ、デスキング。
俺が臣下の仕事まで奪ったら、骸骨達が失業者になってしまうからな。
これはいわば、工場での仕事の分担のようなものだ。
お前たちが対処できない事態が発生したら、助けてやろう」

内心、ホッとするワルキュラ。
しかし、無数に嘘を積み重ねすぎて、心労が酷くなってきた。

(俺は……どうやって、国と骸骨を統治すれば良いんだ。
太陽なんて部下じゃないし、LV0だし、俺の手で人間殺せない制約あるし、ルビーちゃんと子作りできない体だから、王朝の後継者も作れないし、俺殺せば組織瓦解するし、あばばばばばばばばっ……!)

「さすがはワルキュラ様ですっ!
僕も、夜伽をたくさん頑張って、子供をたくさん産みたいです!」

小さくて魅力的なルビーちゃんが、真っ赤な目を輝かせて賞賛してきた。
ワルキュラは、素敵な美少女達の好意を得るために、勝ち続けないといけないなと思い――気づいた。
目の前にあるのは、撤退準備を進めようとするピィザ軍。
退却しながら戦争するのは、とっても難しいのが戦争の常識。
逃げると戦う。矛盾する二つの行いを兵士達に強いる事になるし、自動的に集団の持つエネルギーが攻撃以外の事に分散されまくるからだ。

(今、攻撃すれば……勝てるのではないだろうか?
楽して勝利できる大チャンスっ……?)

好機を見逃すのは勿体無いように感じた。
だから、ワルキュラは、空中に漂う幽霊娘に向けて、命令を下す。

「クレア。命令だ。
デュラハン機動軍は、敗残兵を追撃せよ……いや、ちょっと待った。
今の命令は取り消しだ」

恐ろしい違和感を感じたワルキュラは周りを見渡す。
吸血鬼娘のルビーは、太陽光で手足がプルプルッと震えていて、立っているのも辛そうだ。
骸骨達も、骨が弱くなって折れたりして、こうやって欺瞞作戦を続けている間も、負傷者が続出している。

(駄目だっ……!
こいつらを昼間の間に戦わせたら自滅するっ……!
なぜか、俺だけ太陽を浴びても何も感じなくなったが、こいつらは戦力にならないっ……!
早めに何らかの対策を取らないと駄目だっ……!)

元々、アンデッドという生き物は、夜の内に活動する化物だ。
それゆえに、生活する場所は地上ではなく、地底が最良。
地上という環境そのものが、死者には厳しい地獄と言っても良い。
早めの内に、何らかの対策をしないと――自滅する事を意味する。

(技術や魔法的な問題は、ダークエルフやエルフに任せるとして……やはり、ピィザ軍を攻撃しないのは不自然だ。
奴らの指導者がまともだったら、こっちが兵力を誤魔化している事に気づいて、再び攻城戦をやりかねないっ……。
昼間の内に攻撃されたら、骨折する骸骨が続出して、自動的に敗北は確定的に明らかだっ……!)

ブロント語まで使って、考えを纏めたワルキュラ。
最善の選択は――

「デュラハン機動軍に伝えよ。
『夜になり次第、敗残兵を追撃せよ。
決して深追いするな。次の朝が訪れる前に撤退せよ』とな」

「わかった、お父様」

命令は迅速に伝えられていく。
デュラハン機動軍が活動を開始するのは、太陽が沈む時刻。
つまり、今から十時間後。
絶望的なほどに、好機を逃すには十分すぎた。

(地下空間で戦う事を前提にした軍隊なのに、なんで、俺、地上で戦争やってるんだろ……)






今回のコメントをまとめたページhttp://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Fusiou/c28.html

【小説家になろう】 「エルフ娘とグルメの組み合わせって最高じゃね?」食いしん坊エルフhttp://suliruku.blogspot.jp/2016/04/blog-post_68.html

【内政チート】「俺は蚕を飼って、絹を作ってチートする!」江戸時代の日本http://suliruku.blogspot.jp/2016/04/blog-post_9.html



ワルキュラ「アンデッド軍団、運用し辛くて困った……。
どうすれば良いんだっ……!」



ピィザ3世「物量が違いすぎて困った……勝てないよう……」


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  1. (´・ω・`)ゆっくり修正完了

    (´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)分身したい

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(´・ω・`)1日に1回、システムからスパムだと判断されて隔離処置されたコメントを、元の場所に戻しておるんじゃよ。

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マザーテレサ(ノ●ω●) 人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。 自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。