20話の狐娘「クレジットカードは便利すぎる代物じゃな！」

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公開日： 2017年4月10日月曜日 【もふもふ・きつねっこぉ】 自作小説 自作挿絵

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問い「あれ？ここコンビニじゃないの？」

答え(´；ω；｀)18話でコンビニ出て、今は隣にあるドラッグストアだお。現実でウドンやモヤシを５円で販売している激安店で最強だお

★★★

タヌウは、謝罪の意味を込めて、金貨カードを10枚ほどリーファに渡した後、要求を言った。

「話は変わるが……クレジットカードとやらを見せて欲しい。私たちはそれを見るために、この異世界へとやってきたと言ってもいいのだ」

「これアル」　

リーファが財布から出したのは――手のひらサイズの小さなカードだ。美しい銀色模様だが金属ではないようだ。
タヌウはカードを受け取って首を傾げる。タヌキ耳が好奇心に駆られてピョコピョコと動いた。

「これは……紙でも金属でもない物質のようだが……本当にこれ一枚で買い物できるのかね？」

「これ一枚で何でも購入できるヨ……と言いたいアルが、使える額に上限があるネ。このカードで使える額はせいぜい100万円ほどヨ」

「その上限はどうやって決まるのだ？」

「持ち主の社会的な信用アル！」

リーファが偉そうに答えた。自分は成人君子ですと言いたげな顔だったが、すぐさま、ニャンタンが反応する。

「嘘だ！」

「ニャンタン殿の冷たいツッコミは放置するアル！」

ツッコミを放置され、ニャンタンの猫耳が下に垂れた。タヌウとリーファの会話だけが続いていく――

「それで、そのカードはどうやって使うのだ？」

「まず、こうやって、買いたい商品を運ぶアル。実演するから見てほしいネ」

リーファは50円と書かれたピザマンを掴み、ドラッグストアの入口――精算レジがある方向へと行った。そこにいる従業員のオバサンにカードを渡すと――

「これでピザマンを買いたいアル！」

「50円です。一括払いでよろしいですか？」

言いながら従業員はピッと機械にクレジットカードを通した。

「一括でお願いするヨ」

「ご利用ありがとうございました」

従業員はそう言って、クレジットカードをリーファへと返却した。リーファの片手には購入されたピザマンがある。不思議すぎる光景だ。
カード一枚だけで何でも手軽に買える。これが実現できれば、経済がさらに活発化するだろうなとニャンタンは思った。
でも仕組みが謎だ。どこでどう金が使われたのか、さっぱり理解できない。それはタヌウも同じなのか首を傾げまくっている。茶色いタヌキ耳が常に元気ピョコピョコ状態だ。

「ふむ……クレジットカードの使い方がわかったが……どうやって金を払っているのだ？」

「わかりやすく言うと後払いアル。後で、このカードを発行した会社からアタシの所に請求書が来るアル。店はカード会社経由でお金を受け取るネ」

「カード会社は、どうやって利益を得ているのだ？」

「店側が手数料をカード会社に払っているアル。クレジットカードを持っている人が多ければ多いほど、カード会社は儲かる仕組みヨ。アタシも見習いたいネ」

「ふむ……手数料か……。税収を補うための策として使えそうだな……クロネッコォにカード化システムと同じように自動化して貰えれば……人件費もかからない……役人の数も少なくて済む……金の流れも把握できて脱税も阻止できるな……」

「でも、このクレジットカードには問題があるネ……あれ？どうしたアルか？」

リーファがタヌウの独り言に疑問の声をあげた。ニャンタンがタヌウの代わりに答える。

「タヌウは考え込んでいるようなので、僕が代わりにツッコミいれますから安心してください」

「わかったアル！よく聞くと良いネ！
クレジットカードはカード一枚でいろんなものを買えて便利ネ。でも。すごい問題があるヨ」

「どんな問題があるので？」

「うっかりカードが誰かの手に渡ったり、カードを使いすぎて大損害を負ったり、破産したりする人がたくさんいるアル！怖いアルな！日本の西にはカード破産大国があって恐ろしいヨ！手軽に使えるという利便性が産む悲劇ネ！」

「確かにそれは大変です！？享楽国の奴らに持たせたら借金漬けになる奴が出そう！？」

「そういう時のために盗難保険とかがついているアル！何億円も他人が勝手に使っても、アタシが払う必要ないネ！」

「うわぁ……悪用しそうな人が言うと、ゲスい発言だ……」

「日本で発行されているクレジットカードのほとんどに、盗難保険がついているから安心アルよ！
導入するときは、そういう保険システムも作った方がいいネ！
クレジットカードは使用した時間・場所まで分かるアルから、盗んだ犯人も一網打尽ヨ！」

リーファの説明を受けて、ニャンタンは感動した。『購入した場所・時間がわかる』そんな機能をクロネッコォに頑張って付けて貰えたら……犯罪組織は淘汰されまくり、隠れ金持ちを見つけやすい。
貧乏人に課税しても旨味はないし、不満ばっかり持たれて大変だが……金持ちの課税は、少ない人件費で良い効果を上げられる。財政問題を解決する糸口になりえそうだ。
だが、ここにきて、暇そうに話をしていたキーニャンが小さな右手を挙げた――

「わしもカードを作ってみたぞい！このスキルを使うのは久しぶりじゃな！」

その手には、リーファと全く同じクレジットカードがある。
リーファとニャンタンの顔が驚愕の顔に染まった。

「アイヤー！？」

「こらぁー！？信仰エネルギーの消費が激しいスキルを使ったらダメでしょー！？」

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