014「妖精さん、プラチナの理想を知る」 【ネット通販は異世界最強なんだよ!(勘違い)』
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公開日: 2016年5月29日日曜日 ネット通販は異世界最強なんだよ!(勘違い) 自作小説
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「さすがシルバー様っ!素晴らしい食べっぷりです!
僕も料理の作り甲斐があります!」
ステーキを2枚平らげて、空腹を満たしたシルバーの心の内は、とても複雑だった。
だが、そんな心の悩みよりも先に、プラチナに聞いておくことがあった。
「プラチナに聞きたいんだが……この領地は、兵士が何人いるんだ?」
『俺の予想だと、農民兵100人!』
『農民兵とか役に立たんww by マキャベリ』
『役に立たない兵士を、役に立たせるのが戦略家なんじゃよ』
プラチナの小さな指が、3の数字を表現した。
シルバーは、その僅かな情報を希望的観測で塗りつぶし、自身の推測を口から漏らす。
「300人?」
「残念っ!僕の私兵は3人です!」
『ひでぇ、一桁とかwww』
『農民を徴兵して戦えよっ……』
『妖精さん、この領地終わってるお』
プラチナは申し訳なさそうな顔で、言葉を続けた。
「さ、最初はここまで酷くなかったんですよ?
最初は、骸骨兵が100人くらい居たんです」
『でも、今は3人』
『プラチナたんは、可愛いから許すお』
「でも、豚人間と抗争している最中に、行方不明になる骸骨兵が増えちゃって……もう残り3人、という訳なんです。
あ、骸骨兵は動き回っているゾンビさんを勧誘して、加工すると作れる兵士です。
言葉は話せませんが、簡単な事なら出来て便利なんです。
……まぁ、弱いんですけどね。豚人間1匹倒すのに10人くらい必要だったり?」
そう言って、プラチナは、無言で笑う骸骨兵士を指差した。
外見は死んだ人間そのものだからホラーだったが、戦力にはなりそうにない。
笑えない真実だった。
『見た目、強そうなのに役に立たないとかwww』
『いや、プラチナたんが無能なだけの可能性があるぞ』
『銀髪ロリは正義だから、許してあげるお』
シルバーは、酷過ぎる情報の数々に、現実逃避したくなった。
惚れた銀髪ロリは、一応、領主なのだ。
税金を取り、その地域を守る義務がある存在なのだ。
いざとなれば、傭兵なり何なり雇う手段があると思い、質問する。
「プラチナ……傭兵とか雇わないのか?」
「正直、貧乏領主だから、兵士を雇用できないんですよね……
特産物のイーモは、毒があるせいで売れませんし。
それどころか、イーモのせいで、豚人間が大量繁殖して、鬱陶しいんですよね……
昔は、イーモの毒で、豚人間が勝手に数を減らして自滅していたのに、最近の豚人間は耐性が出来たのか、イーモを食べても平気で困りました。
……親友のエルフィンは誘拐されちゃうし、もう散々です……」
『この領地はすでに詰んでいる!』
『妖精さん、頑張れ。ヘタレるなよ』
『妖精さんが辛そうな顔しているお』
「あ。シルバー様には、すでにお分かりだと思いますが、この領地は、亜人の難民たちで構成されているんです。
各地から、豚人間や、人間の迫害から逃げてきた亜人ばっかりだから、まったく纏まりがありません。
価値観の相違って難しいですよね」
『プラチナたん、正直だお』
『マイナス情報ばっかりwwww』
「あ……うん………」
『妖精さん元気だせ!』
『妖精さんwwwwいつも適当な返事だなwww』
『イケメンだから、許される返答なのぜ』
「シルバー様は、亜人の定義を知っていますか?」
「いや、知らないよ」
「シルバー様の生きた時代には、亜人という概念がなかったんですかね?」
これはさすがに、シルバーには説明しようがない。
地球出身だし、自分が暗黒王子というのは、嘘なのだから。
でも、今更、否定するのも辛いから――新たな嘘を重ねる道を、迂闊にも選んでしまった。
「……今の俺は、千年前の記憶がないんだ。
シルバーという名前だけは憶えている。
正直、自分が暗黒王子なのかもハッキリ分からない」
『記憶喪失設定』
『嘘を嘘で誤魔化すと、いつか破たんしますよ!妖精さん!』
『妖精さん、考えたお。これは応用が効く嘘だお』
「なるほど千年も封印されて、耄碌したんですね!
大丈夫ですよ!シルバー様!
まだまだ見た目は若いです!智謀も冴えてます!安心してください!」
『プラチナたん毒舌だけど、可愛いから許すお』
『俺も銀髪ロリに罵られたい』
話が脱線しかかっていた。だから、プラチナは強引に話の道筋を元に戻した。
「亜人を知らないシルバー様に、亜人の概念を教えますね……亜人とは、すなわち、人間とは違う劣った生き物。
略して亜人です……って、人間達は言ってますけど、もちろん違います。
皆、決して人間に劣った種族ではありません。
それぞれ得意分野が違うだけなんです」
『どこをどう省略すれば、亜人になるんだ。意味が分からん』
『きっと、異世界語なんだよ、お前ら理解しろよ』
『劣った人間を略したら劣人だお?
あれ?プラチナたんの口を見たけど、日本語を喋ってないお』
『なるほど、翻訳されているのか……すげぇぇぇぇぇぇぇ!!!』
『リアルタイム翻訳wwwww』
『ちょwwwおまwwwwwさりげなく凄い技術が使われている件www』
「シルバー様も、ここが亜人最後の地上の楽園だと知って、ここに来たんですよね?
あ、記憶喪失でしたっけ?」
「……うん」 『地上最後の楽園wwwwどこの北朝鮮の宣伝文句www』
「僕は、元々は人口1万人ほどの小国のお姫様だったんです。
でも、豚人間達のせいで、次々と領土が奪われて、姉たちは行方不明……残ったのは、この森林に覆われた辺境だけでした。
幸い、食べ物には困りませんが、豚人間達は、この領地でも繁殖して、もう大変なんです。
お姉さん達も今頃は……きっと口では言えないエッチィ事になっていると思います」
『唐突なプラチナたんの過去回』
『妖精さんを篭絡するための策略だお』
『同情させて、妖精さんを働かせる気満々だな』
「僕たち亜人が、この地を失えば、もう絶滅するか、豚人間が経営する亜人牧場で、家畜や性奴隷として生活するしか生きる術がありません。
お願いです、シルバー様。
僕達をお救いください。
全族協和の理想に、賛同してくれますか?」
「全族協和?」 シルバーはようやく返事をした。
「はい、僕の夢は、全ての種族(豚人間を除く)が、お互いを尊重しあって生きる国を作る事です」
『プラチナたん、さり気なく豚人間は別枠扱いwwwww』
『一種族だけ差別されて酷いおwww』
「皆が皆、それぞれの個性を生かせば、きっと素敵な国になると思うんですよね。
ホビットなら、その背の低さで小道具作り…絶滅したらしいですけど。
ドワーフなら、その職人の腕で、多種多様な製品を生産して交易を
ゴブリンは、豚人間と同じような生き物だから、やっぱり死ね。
エルフなら、ブラックな労働で有名な林業を好んでやるから、森林管理を。
妖精なら、空からの偵察・奇襲・宅配業を。
人間なら、色んな仕事ができて便利だと思うんですよね。
まぁ、統治するの大変でしょうけれど、そこは軍事を握っていれば大丈夫かなぁって思ってます」
『ひでぇ、言ってる事とやろうとしている事がめちゃくちゃだ。ゴブリンまで差別対象』
『でも、プラチナたんは、可愛いから許す』
『妖精さん、銀髪ロリを、ベットの上で教育してあげればいいお!』
シルバーは、プラチナの理想を聞いて、心の中で湧き上がるものを感じた。
(理想でありながら……なんか現実味がある感じが良い)
彼女の理想論は、ただの理想ではない。
貧乏な領地を経営しながら行き着いた『現実的な理想』なのだ。
現に、共存する難易度が高い種族は、最初から共存できない対象として除外している。
そう、シルバーは理解させられた。
「プラチナ、その発想良い!
俺、君のためなら、なんでも出来る気がする!」
『いやいやwww
他種族系王朝とかwwwそれ難しいでしょwww』
『人間の他民族系王朝ですら、国民国家になった途端、内部分裂の危機に直面して大変だお……』
『南アジアのインドを見習えばいいお!インドを統一した歴史そのものが短いけど、何とかなるお!』
『オーストリアの二の舞ですよ!妖精さん!』
「まぁ、シルバー様!
僕の思想に賛同してくれるんですか!
ありがとうございます!
この思想に賛同してくれたのは、アナタ様で約千人目です!」
『賛同者が多すぎるwwww』
『プラチナたんには、銀髪ロリという魅力があるお。
オラも、その理想に殉じたいお』
嬉し気なプラチナが、シルバーに抱き着いてきた。
その柔らかい感触、良い香りに、シルバーは、顔が真っ赤になる。
(この娘の理想を実現するためなら……俺、死んでも良いかも。
女の子って身体が柔らかいんだな……)
異世界に来て良かった。そう、シルバーには思える。
幸い、プラチナの理想はゆっくりと進んでいる。
この領地に集まった亜人達。賛同者千人。
これだけあれば、将来的に幸せな未来を描けそうだ。
『自分でどんどん難易度上げてどうするwwww』
『妖精さん!
全族協和の果ては破滅ですよ!』
『人と人同士すら分かり合えないのに、全族協和とか……何、考えているんだっ……』
『この銀髪ロリ、平和ボケしすぎている……?』
『どっちも自分が正しいと思っているから、戦争やってるんだぞ……。
妖精さん、それを理解しているのか?』
ネットの皆からは、否定的な意見がたくさん出された。
だが、シルバーはそれを無視する。
だって、豚人間という殺しても殺しても減らない共通の敵がいる。
全族協和の理想が実現しない限り、倒せそうにない。そんな繁殖力を持った宿敵がいるのだ。
なら、団結できそうだなぁと、シルバーは未来を楽観視した。
……全族協和が成ったとしても、勝てるかどうかは分からないが。
(俺は、プラチナの理想を叶えたい。
難易度が高い気がするが、彼女のために英雄になりたい。
そうしないと、このまま亜人も人類も滅亡する気がする……)
『男は女で道を踏み外す』
『これが妖精さんの死亡フラグだったと、後で知ったお』
オーストリア=ハンガリー帝国(´・ω・`)多民族系王朝ですが何か!
あっちこっちで独立運動が盛んになって、最後は第一次世界大戦後にバラバラに分裂ENDな有様だよ!
(´・ω・`)主人公が今まで購入したアイテムは、こっちに全部纏めた。
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Neltuto_tuuhan/Aitemu.html
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【小説家になろう】 「助けてっ!料理小説なのに料理描写したらブクマが50も減った!」お菓子職人の成り上がり~天才パティシエの領地経営~
http://suliruku.blogspot.jp/2016/05/50.html
【内政チート】「異世界で何を肥料にして、読者を驚かせたい?」http://suliruku.blogspot.jp/2016/05/blog-post_28.html
作者(´・ω・`)豚の物量1万匹に変更したわ
返信削除難易度アップアップ
妖精さん(´・ω・`)そんなー
異種族国家作るなら豚人間は
返信削除脅威になる程度には生存している必要あるよね
多数の民族が安定してるのは脅威があるうちだけ
その脅威があるうちに洗脳という教育をどれだけ施せるかがカギ
ただの洗脳だと分裂するから
妖精さんが異世界の神として胡散臭い宗教でっちあげると良いよw
異種族を束ね楽園を築いた魔王()とかいって
カルト作れば心の国境線を引けるからw
世の中は国として民族の国境線を引くか
宗教信条教育を使い心の国境線を引くか
大体同じような価値をいかに持たせるかで変わるからね
>妖精さんが異世界の神として胡散臭い宗教でっちあげると良いよw
削除(´・ω・`)な、なぜ、展開の一部を先読みしたっ……!
未来視(´・ω・`)