9話 「人里でモンスター大暴れ」 【本好きの成り上がり(TS)】

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公開日: 2016年1月9日土曜日 TS 自作小説 本好きの成り上がり





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本好きの成り上がり(TS)】☚纏めたぺーじ



この世界のモンスターは、基本的に地面やダンジョンの壁から湧いてくる謎の生き物だ。
村へ来る途中に、その気持ち悪い現場を見たから間違いない。
そのような生物だから、モンスターは何の権利も持たない上に、死んだらそのまま人生終了。復活の魔法でも蘇生は不可能。
それはそれは悲しい生き物なのだ……まぁ、私は本がゆっくり読める安全な生活が欲しいだけだから、モンスターの人権なんてどうでも良い訳だが。
ひょっとしたら私が出会った山賊団もモンスターの類だったりするのだろうか?
この地域。エジプトみたいに川以外がほとんど砂漠という構造だから、基本的にナイルン川を使った水運中心の経済構造だろうし。
砂漠地帯で獲物を待ち構える山賊なんて存在するはずがないのだ……と思いたいが、イスラム教が誕生する前のアラビア半島とか、上は戦争、海路は海賊がウヨウヨいるっていう状況のせいで、真ん中の砂漠経由で商人達が物資輸送してたなぁ。

「ヒャッハー!食材だぁー!」
「死ねぇー!」

話が脱線したが、私が村長の豪邸から出て見た光景は、モヒカンファッションの村人達が弓矢や剣、魔法を込めた魔石で次々とモンスターを殺しまくっている虐殺シーンだ。
下手したら、どちらが悪者なのか分からない。
まるで、中国人を都市ごと無意味に皆殺しにしまくった帝政ロシア軍のような殺戮としか言いようがない。。
モンスターの集団の方は、レベルが低いゴブリンを中心とした大部隊で、見ている範囲内だけでも千匹ほどはいるだろう。
さすがに術者一人でこんなに召喚できる訳がない。
魔石を使う擬似魔法は金がかかる割には、役に立たないし――なら問題は簡単だ。
『下僕モンスターを召喚できる技能を持つモンスターを召喚する』
そうすれば最低限の手間暇で、この大物量を召喚する事が可能だ。
モンスターが使う魔法は、ごく一部の特定の魔法しか使えないという恐ろしい欠陥があるが、私の使う日本語魔法と同様に全く金がかからないのが利点である。
私はゴブリン達の中にいる、リーダー格を探す。
いるとするならば、安全な場所……見えた。
ゴブリンの軍勢の奥深くで、次々と下僕ゴブリンを召喚しまくるゴブリン・キングの集団がいる。
真っ赤な肌で、背丈は人間の子供くらいだが、鼻と耳が尖っているから、中々の迫力がある。
もしも、話し合いができるならファンタジー映画の役者さんとして雇いたい。 無論、やられ役として。

「カグヤ様?どうします?」

隣りにいるエミールが私の右手を掴んだまま問いかけてきた。
そうだな……相手の狙いはほぼ百パーセント、私だろうし。強そうな村人達の近くから離れないようにしながら戦うとしよう。
下手に突撃すると包囲されて死ぬからな?前の敵に集中できるように、右と左と後ろが友軍である事が好ましいんだ。

「わかりました!もっふー!」

勢い良く叫んで、鋭い刀を振り上げるエミール。
躊躇なく、近くにいるゴブリンを切り裂いて殺害した。
確かゴブリンの種族速度は70。
ゴブリンが一回行動する間に、エミールは13回攻撃できる計算だ。
次々とゴブリンは切り裂かれて、身につけている粗悪な装備品や、ゴブリン肉をドロップアイテムとして落としていく。
エミールの剣スキルを上げるための相手としては丁度良い雑魚さだ。

「混沌矢
(カオス・アロー)! 」

私もそこに参戦。混沌属性の矢を連続で解き放つ。
次々とゴブリンにヒット。混沌属性は複数の状態異常を発生させる凶悪な属性だから、支援攻撃に打って付けだ。
村人達は、発狂したり、ゲロを吐いたり、朦朧としているゴブリン達を叩きのめし、弱っている相手を容赦なく殺していく。
MPが尽きるまでカオス・アローを撃ちまくった私はMPが回復する間、戦場を見渡す。
ゴブリンの集団が一気に消し飛んで消滅している場所がある。
そこでは村長殿とテファさんが最前線で大活躍していた。

「カオス・ボール!」

村長殿が大量のMPを消費する魔法を使った。混沌の塊がその手から解き放たれ、着弾箇所を中心に混沌の渦が広がる。
ゴブリン数十匹が状態異常を発症させる前に即死。村長殿はそんな凶悪すぎるカオス・ボールを湯水のように撃ちまくり、ゴブリンの総数を減らしまくっている。
こうなると……うーん、威力が高すぎて混沌属性の意味がないなぁ。

「あらあら、私も鈍りましたわねぇ」

テファさんの方はその小さな身体には見合わない槍さばきで、槍を大回転させてゴブリンを一撃で次々と仕留めている。
その様は蜻蛉切(槍の名前)を持った本多忠勝としか言いようがない。
黒い髪の清楚そうなエルフ娘だが、この世界で生き抜く彼女は歴戦の猛者なのだろう。
村人達も強いし、このまま進めば勝てそうだ。
……いや、そんな事はなかった。
ゴブリンを召喚できるゴブリン。どうやら百匹ほどいるらしい。
無限の物量と最強の質。両方がぶつかればどちらが勝利すると思う?
答えは、疲弊した人間達の死亡。
早めにゴブリンキング達を何とかしないと、こちら側が敗北する可能性がある。
私なら、ゴブリン達の別働隊を作って、包囲戦に持ち込むだろうし。
私とエミールがゴブリンの群れを迂回すれば、ゴブリンキングの集団を混乱状態に陥れる事は可能と思うのだが……敵の狙いは、恐らくそれかもしれない。
村人達から離れた私を捕獲し、徹底的に辱めて拷問して復活できないようにする展開を敵が期待して待っているに違いない。
迂闊に村長達から離れるのは自殺行為。
今、出来る最善の策を考えよう。
私の使う魔法は、ゲームの頃と違ってかなり応用が効く。完全に混沌属性の事を理解していれば、状況に合わせて

「混沌矢(カオス・アロー)!」

こうやってカオス・アローに使うMPの量を極端に増やして、射程距離を十倍にする事だって可能なんだ。
魔法は有効射程内に対象がいれば必中効果がある。数百m先にいるゴブリンキングに当たり、複数の状態異常を発症させた。
混乱した状態で召喚魔法を使ったゴブリンキングは魔法に失敗。
膨大なMPを代価に消費させられ……限界を迎えて爆発する。
さすが混沌属性。えげつない。
RPG「エロイナ」は、MPが0を超えてマイナスになるとHPに大ダメージが食らう仕様なのだ。
最小限の労力で、モンスターを殺す事が可能な事を意味する。

「テレサはテレサだよ!
モンスターのみんなは殺し合いをやめてね!
仲良くしようよ!」

幼い声が戦場に響いた。右隣を見ると仏さんに顔を担がれたらテレサさんがいる。(顔しかないが)
相変わらず愛らしい生首だが、さすがに戦場で皆が仲良くするのは無理だろう。
マザーテレサや、インドのガンジーだって、この状況での和平なんて無理難題だと叫んで武力で解決すると思う。
……ところで仏さん、アナタは戦闘に参加しないので?

「ワイはテレサの思想に賛同しとるんや。
よほどの事がない限り殺しはせんで」

うわ、眩しい、後光溢れる仏さんだった。こんな状況でもその信念を貫き通すのは凄い事だと思う。
主に、村人達の不興買って、村八分になるだろう的な意味で。
とてもじゃないが私には出来ない。

「でも、ワイも村に世話になっとるからな……戦闘の支援くらいしたるで」

そう言って仏さんは、聖属性魔法を発動させた。
天空から暖かい光が舞い降りる。
傷ついた村人達の身体が癒えて、各種ステータスが一時的にアップした。
回復と補助の両方を同時にやるとか……このお方も中々に凄い人である。
私も負けられないな。ゴブリンキングを中心に殺していくとしますかね。
その時、戦闘に急激な変化が訪れた――

メルカッツ ●     ゴブリン⇒      ●村人達

単純すぎる横陣を敷いたゴブリンの軍勢の背後に、メルカッツ率いる馬に乗った冒険者五人が突撃。
戦争では凄い常識的な事なのだが、基本的に陣形の側面や真後ろは弱点。
しかも、予備兵力なしに全力を前方に注ぎ込んでいるゴブリン達の後ろはガラ空きだ。無能だ。
背後を突かれたゴブリンキング達は次々と簡単に容易く殺され指揮系統が崩壊。三分もする頃には全滅していた。
メルカッツさんの活躍っぷりはまさに鬼神。第二次世界大戦の英雄『砂漠の狐ロンメル』を思わせる機動力で、ゴブリン達の陣形の弱点を突き、陣形を崩壊させていく。
陣形が崩壊した雑魚モンスター達は、村人達に各個撃破され、数をすり減らし、十分もしたら逃げ散った一部のゴブリンを除いて、ほとんどのゴブリンがドロップアイテムを落として消滅していった。
この光景を見ると、ゲームの世界なんだなぁと実感する。
モンスターは死んだら死体すら残らない……命が軽すぎる。

「もっふぅー」

エミールが大きな尻尾をフリフリ動かしながら、私の小さな胸に抱きついてきた。
おー、よしよし。お前も頑張ったな。
ゴブリン三百匹くらい殺したか?

「数えてないです、カグヤ様」

そりゃそうだな。
一々、数えるの面倒臭いもんな。ドイツ空軍の戦車破壊王なルーデル閣下だって、自分が壊した戦車の数なんてまともに数えてないだろうし。
そもそも殺した数を誇る必要ないからな。エミールはよく頑張ったよ。偉いぞ。

「もふっ?ルーデル閣下?」

第二次世界大戦で戦車を少なくとも519輌ほど破壊した軍人だ。
まぁ、エミールはまだ知らなくていいな。
英雄なんて異常者すぎて参考にならないし。

「もっふぅ~」

お~、ワンコみたいで可愛い奴だ。よしよし……エミールに命令したら、本当に三回回ってワンっ!って言いそうだ。
年端もないショタを調教している感じがやばいよう。ワンコ可愛いよう。
そうやって、私がエミールを抱きしめて頭を撫でていると――

「大丈夫だったかね?カグヤ君」

馬に乗ったメルカッツさんがやってきた。
高貴な軍人のような上品さが魅力的なお爺さん。
私が人間だったら、このような感じに年を取りたいと思えるほどに理想的なご老人だ。
戦場での的確な活躍っぷりを見ると……弟子になりたいと思う。
私が生き延びるために、その戦術眼が欲しい。
本で自衛隊の戦術論の類は読んだ事はあるが、あれは基本的に敵を分断したり、どの目標を最初に攻撃するべきかなどが書いてあって、とてもじゃないがこの世界では参考になりそうにない。
だから、私はメルカッツさんに近づいて頭を下げて頼み込む事にした。
……メルカッツさん、私をアナタの弟子にして下さい。

「私は基本的に剣と弓を使うから……魔法を主力に使うカグヤ君に教えられる事はないぞ?」

よし、この人が一瞬、事件の犯人かと思ったが、拒否る姿勢を取っている時点で、寄生された人間という線はないだろう
敵ならここで大喜びしながら 私を弟子にして、何処か人気のない場所で18禁行為(拷問的な意味で)に及ぶはずだ。
私は静かにメルカッツさんの漆黒の目を見つめる。
ロリ娘のつぶらな瞳攻撃。エミールも私の真似をしてメルカッツさんを嫉妬心混じりに睨む。
幼い少年・少女の無言の要求に、紳士な彼が耐えられるはずもなかった。

「……わかった、わかった。初心者を教育するのは年長者の義務。
カグヤ君を弟子として迎えよう。
魔法を使える君が仲間になってくれるのはありがたい事でもある。
明日、ダンジョン探索をするから、今日は身体を休ませたまえ」

仕方なさそうに言うメルカッツさん。
やった。素敵な紳士が師匠になったぞ。
心の中で、メルカッツさんの事をイギリス紳士ウィンストン・チャーチル(第二次世界大戦時の英国首相)と呼んであげよう。
イギリスの紳士ランキングで一位になった人物だから、彼にぴったりだろう。

「チャーチル?」

おっと、心の声のはずが口に出してしまったようだ。
気にしないで下さいメルカッツさん。

「チャーチルという人物は私とそっくりなのかね?」

いえ、イギリスという国での評価が高いだけで、客観的に見ると、無謀な命令をしまくって多数の味方を死なせた無能です。
戦争を騎士道的な決闘ゲームだと思い込んでいたせいで、それはそれは悲惨でしたよ。

「なるほど……確かに戦争は決闘ではないな。
ルールはあるにせよ、その本質はお互いに騙し合う何でもありの殺し合いだ」

メルカッツさんが少し考え込んで、意味深な素振りを見せてきた。
きっと、戦争とかにも参加して、無能な上司に苦労させられたとか、そんな経験がお有りなのだろう。
私は去りゆく彼の背中を見て……この人なら信頼して、自分の命を託せるかもしれないなと思った。




「もふぅ……?」

唐突にエミールは首を傾げた。
どうしたんだ?

「なんか、あの人、怖いです……?
僕じゃなくて、カグヤ様ばっかり見てて可笑しいです……」

気のせいだろう。エミールは人生経験が足りてないからな。
まぁ、ここが物語の世界だったら、彼は私の暗殺を企む敵だったりして、今のやり取りが殺す側と殺される側の騙し合いに見えたとか、そんな事は絶対にないのだろう。
現実は無数の登場キャラがいて、無駄としか思えないキャラがほとんどのクソゲー。

今までのメルカッツさんの紳士な反応を見るに、彼が寄生生物というオチはないはずだ。
私ばっかり見ているのは、きっと、ロリコンとか、幼女好きとか、そこらへんだろう。
……あれ?そんな男と一緒にダンジョン探索したら貞操が危ない?
そんなー


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カグヤ Lv6  ※レベルで上がるのはHPとMPのみ。その他のステータスは食事と行動とスキルのレベルアップで上昇する。

所持金 約1万
 筋力  5
 耐久  6
 器用  3
 感覚  5
 習得  12
 意思  12 
 魔力  87 
 魅力  24(+100) 
生命力:90(+30)
マナ:90
速度:2000
 クラス   魔法使い
獲得スキル 詠唱(魔法の成功率)瞑想(MP回復)エコ魔法(魔法のストック節約)魔力の限界(MP切れた状態で魔法使った時の反動を抑える)など×1000のスキル
獲得魔法 無属性LV3  混沌属性LV5
状態異常
称号 『男女』


装備






胴体 ★神聖なる巫女服『カグラ』(90.20)
遠隔武器 ✩純白に光るパンティー『ピンクレディー』(10d6)
弾薬


どうでもいい設定⑨


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マザーテレサ(ノ●ω●) 人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。 自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。