最終話「私は料理で無双する!」前編
8 件のコメント :
公開日: 2015年12月15日火曜日 (✿╹◡╹)料理大好きエルフの異世界レストラン 自作小説
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店の扉が開いた。軽やかな鈴の音が店内に鳴り響く。
今日のお客は、長い銀髪が特徴的な黒づくめの若いエルフの男(約千歳)。
気分はとっても良さそうで笑顔を浮かべている、そう、彼は……ラッキーの師匠カインだ。
「よぉー!ラッキーちゃん!
今日の定食はなんだい?」
陽気な口調で、恋人であり店主であるラッキーに問いかけるカイン。
ラッキーは、とても嬉しそうな顔で答えた。
「今日は牛丼定食ですよ、お師匠さま。
……あと、重要なお話があるんですけど、聞きます?」
「ラッキーちゃんの話なら何でも聞くさ!」
カインは何の迷いもなく返答する。
能天気なように見えるが……千年の人生経験があるが故に成せる対応だ。
「それじゃ料理をゆっくり作りながら話します。
一ヶ月前の事なんですけど――」
ラッキーは牛肉を包丁で切りながら、最後の物語を紡いだ。
~~~
一か月前。
この日、ラッキーは機械歩兵のイエローの家(巨大戦艦内の個室)に行き、人生相談をしてもらった。
彼女は深い深い悩みを抱えている。
前世の頃から抱える重い悩みだ。
「イエローさん。
私、凄く悩んでいる事があるんです」
「……え?悩みがなさそうな神様が悩み?」
「私を神様と呼ぶのはやめてください。
以前、その発言のせいで料理の神様が激怒して、また料理対決する嵌めになったんですよ?
おかげで、会場になった弟子の店が消滅しちゃいました」
「……もうやだ、特殊すぎる料理業界」
イエローは機械の首を360度回転させて嘆いた。
料理業界。それは機械歩兵から見ても異端すぎる大魔境。
餃子が異世界から転移してきたり、
ドラゴンのように生物化して空から降ってきたり、
審査員が料理を食べた瞬間、口からビームを放って、会場を破壊したりするバトル業界。
物理法則が可笑しい事になっている彼らと、イエローは関わり合いたくなかった。
だって、機械歩兵だから、人間の料理を見ても感動を覚えないし、なんで生物の死体(料理)のために命懸けのバトルやってるのか、心底、理解できないからだ。
ラッキーはそんなイエローの様子を無視して、言葉を続ける。
「率直に言いますよ?
私の悩みは……お師匠さまと70年間付き合っているのに、未だにキスもした事がないんです。
どうやったら結婚まで持ち込めますかね?」
「うわぁ……ロリコン紳士だぁ……」
百歳のロリに手を出すのは、この社会では異端だ。
ロリに手を出しても良いのは同世代のショタだけ。
お師匠さまは社会的に見れば、性犯罪者すぎた。
でも、法律的にロリ(100歳)に手を出しても犯罪ではない。
イエローは機械歩兵らしい解決策を打ち出した。
「……恋愛の事が知りたいなら、ラッキーちゃん。乙女ゲーやります?」
「乙女ゲーってなんです?」
「魅力的な男性達と恋愛して、学校生活するゲームですよ。
中古のゲームを購入してダウンロードすれば、いますぐプレーできます」
「……私、ゲームってやった事がないんですよね。
それって参考になるんですか……?」
ラッキーは首を可愛く傾げて悩んだ。
イエローは空間転移で、ゲーム機器の白いヘルメットを持ってくる。
画像を投影するモニターの類はない。
「イエローさん、ゲームなのにテレビはなくて良いんですか?」
「これはヴァーチャルゲームですから、テレビが無くても出来るんです」
「ヴァーチャルゲーム?」
「アンタは本当に現代人か!?学生時代に一回くらいヴァーチャルゲームやるでしょ!?」
「え?これ一般常識なんですか?」
「一応、百歳でしょ!?友達いないんですか!?」
「料理と……殺人料理人を殴って説教ばっかりしてたから、私、そういう知識ないんです。
ごめんなさいイエローさん」
困惑して謝罪したラッキー。細長いエルフ耳が元気をなくして下に垂れた。
イエローはとりあえず、説明を続ける。
「ラッキーちゃん、説明しますよ?
ヴァーチャルゲームは、ゲームの中に入り込む史上最高の体感型ゲームなんです」
「……ひょっとしてゲームの中でも料理できます?」
「恋愛方面に興味持てよ!おい!
ラッキーちゃんは恋愛問題を解決するために、ここに来たんでしょ!
とりあえず、このヘルメットを被ってください!
そうすれば乙女ゲーの世界に行けますから!」
ラッキーは意味をよく理解できなかったが、白いヘルメットを手に取って、頭に被ってみた。
そうすると、意識が一瞬、暗闇に沈みこみ――
【THE乙女ワールド!今日から君もモテモテガール!】
という大きな文字が、目の前に表示された。
キャラ設定という項目が出てくる。
【キャラ名】
【年齢】
【外見】
【好きな事】
【好きな食べ物】
【嫌いな食べ物】
【好みの男性】
【200禁モード】YES NO?
「どうすればいいのかな?」
首を傾げて悩んでいると、イエローの声が暗闇に響いた。
「ラッキーちゃん。
適当で良いんです。あ、200禁モードは200歳以上じゃないとプレーしては駄目だから押しちゃ駄目ですよ?
人間でいう18禁エロゲーモードですから」
「18禁……?うん、わかりました」
【キャラ名】ラッキー・ナポ
【年齢】百歳
【外見】 今のまま 金髪の幼い女の子
【好きな事】 料理
【好きな食べ物】 全部
【嫌いな食べ物】 ない
【好みの男性】 お師匠さま
【200禁モード】 NO
【秘密コマンドA】 料理の達人
【秘密コマンドB】 装備品にフライパンを追加
【秘密コマンドC】 弟子の精霊さん達もプレイヤーとして参加
「おいこらっ!?
なんで僕すら知らないような謎のメニューが出てくる?!」
「どうやら私の周りにいる精霊さん達が、このゲームをプレーした事があるみたいです」
「しかも、精霊さんが弟子ってどういう事!?」
「空気を調理して、美味しくしたら……精霊さん達が私の弟子になりました。百年前くらいに。
おかげで料理の時に便利なんですよね。炎も水も出したい放題です」
「ラッキーちゃんっ!当時0歳ですよね!?ありえないでしょ!?」
「0歳の頃からフライパン握っているから、他の家庭の事はあんまり知らないです」
「ダメだっ!この娘!?恋人がいる事そのものが奇跡すぎる!?」
こうして、ラッキーちゃんの乙女ゲー・ライフが始まった。
【小説家になろう】 しゅごいアンチ異世界召喚作品【異世界召喚なんてしてもいいと思ってんの?あ?】
http://suliruku.blogspot.jp/2015/11/blog-post_92.html
【小説家になろう】 50万部売れてしゅごい【この素晴らしい世界に祝福を!】
http://suliruku.blogspot.jp/2015/11/50.html
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(´・ω・`)最終話でござる。
返信削除最近 エロ小説ばっかり書いているでござる
関係無いが、衝撃を受けた料理(・・?のマンガ
返信削除↓
油淋鶏 | so:
http://urban.sakura.ne.jp/long/328
料理で無双するって言うと連想するのが、
返信削除ラムとかミスマルユリカとかああいうキャラ。
どんな相手もいちころよ。
(´・ω・`)私は毒料理で無双する!
削除基本的に自分で作ったくせに味見しない連中はテロリストだなw
削除アニメの艦これで比叡&金剛チームが、ちゃんと自分たちで味見して倒れたのには感動した。
●毒料理の使い手
削除イギリス人(´・ω・`)
どらえもん(´・ω・`)ジャイアン
IS(´・ω・`)イギリス人
(´・ω・`)駄目だ。思い出そうと思っても思い出せない
わたしの愛情たっぷりだから絶対に美味しいはず。
削除とか世迷い言をぬかすバカ女(ギャグものは許す)は、
自分の料理食って死ねとしか思えないね。
毒料理キャラの多くの欠点。
自分の考え(180度大間違い)に固執、
人の話は全く聞いてない。
ただし自分の都合のいい部分だけは地獄耳。
あるいは曲解する、全体を聞かず一部だけ取り出す。
自分の都合のいいように聞き違いをする。
と言ったろくでもない能力だけは有する。
アバウト(まあこんなものとか)
出来あがったものが誰がみても変なのに不思議に思わない。
大隊普段の言動が強引にマイウェイ、押しつけがましい、
スートーカー気質。
って、まず人としてどうよって連中が多いんだよね。
美少女が(+1万点)、主人公のために(+1万点)、愛情満点の(+1万点)、手料理を作ってくれる(+1万点)
削除と、要素だけで十分幸福度的にはプラスになるのだから、ここで逆に、
しかし不味かった(-100点)くらいのマイナス要素を加えないとなんかつり合い的な何かが取れないんだろーよ。
読者の嫉妬マスクを防ぐために何かマイナス要素を加えるみたいな古典的テクニックの一つじゃないかな。
ツンデレ美少女(+)に好意を寄せられている(+)主人公が、なぜか理不尽な暴力を振るわれる(-)と似たようなパターンに感じる。