最終話「私は料理で無双する!」中編
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公開日: 2015年12月16日水曜日 (✿╹◡╹)料理大好きエルフの異世界レストラン 自作小説
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乙女ゲー世界に入ったラッキー。
そこは見知らない家のベットの上だった。安物っぽくてあんまりフカフカではない。
ラッキーは紫色の寝巻きを着ている。
部屋には女の子らしい可愛いヌイグルミが並び、目の前に若い金髪の少年が立っていた。
とっても優しそうな目線をラッキーに向けてくる魅力的な男性だ――そして、とても馴れ馴れしい。
「おい!ラッキー!寝坊すると学校に遅刻するぜ!
早く起きろよ!」
「えいっ!」
「ひでぶっ!?」
とりあえず、ラッキーは鍛え上げられた細い手で殴った。目の前の男性を。
男はお腹を痛そうに抑えて立ち上がり、涙目になりながら抗議してくる。
「な、何するんだよ!?」
「女性の部屋に勝手に入ってくる不審者は殴る。それが一般常識なんです。
というか死んでください変態」
「お、俺、ラッキーちゃんの一番の幼馴染だよ!?
幼稚園の頃から一緒でっ!将来を約束した仲っ!
それに毎朝こうやって、ベットから起こしてるだろ!?
忘れたのかよ!?」
「私の一番の幼馴染はお師匠さまだけです。
乙女の部屋に勝手に入ってくるストーカーは死んでください。
あなたの愛は要りません、気持ち悪いです」
その言葉とともに、プレイヤーとして参加している弟子の精霊さん達が大挙してやってきた。
「わっしょいわっしょい!」「わっしょいわっしょい!」
男をスーパーフルボッコタイム状態にして、マンションの屋上から放り出した。
「ぎゃぁー!」
この幼馴染設定の男の種族はエルフだ。
十階から飛び降りしたくらいで死ぬ事はないだろう。たぶん。
せいぜい、コンクリートの道路に頭が突き刺さって動けなくなるくらいだ。
「こらぁー!?
いきなり何やってるんですか?!ラッキーちゃん!」
外部から、先ほどの光景を見ていたイエローがツッコミを入れた。
ラッキーは首を可愛く傾げて答える。
「え?
不審者をボコボコにしただけですよ?」
「さっきの男性は、幼馴染設定の攻略対象ですよ!?
一緒に行動して仲良くなりましょうよ!」
「え?なんで、私が浮気しないといけないんですか?
お師匠さま以外の異性と付き合うつもりはないです」
「恋愛の勉強をしに来たんですよね!?」
「れ、恋愛って面倒臭いんですね……殴っちゃ駄目なんですか?
お師匠さま以外の異性と付き合うのは、練習でも嫌です……生理的に受け付けません」
「もうやだ、この娘」
イエローは、現実世界で首を360度回転させて嘆いた。
ラッキーはパジャマを脱ぎ、スカートが短い、白いセーラー服に着替えた後、フライパンと食材を持って家を出た。
学校へ登校するためだ。
フライパンでパンとチーズを焼きながら歩く。
「こらっ!?学校に必要ないでしょ!?」
「え?これが普通じゃないんですか?
私、学生の頃は料理しながら登校してましたよ?」
「危なっ!?」
「危なくないです。精霊さん達が周りで警戒してますし」
「……作った料理はどうやって処理してたんですか!?」
「通行人に上げました。有料で」
「非常識すぎる……なぜ、こんな娘に恋人がいるんだっ……!」
ラッキーは作った料理を売りながら、学校への道を進む。
当然、学校へどうやって行けばいいのか知らないから迷った。
全く地理を知らない町を彷徨い、歩く。
「こらぁー!?
さっきの幼馴染がいないと、学校へ行けませんよ!」
「良いじゃないですか。
ゲームの学校に通う必要なんてないですよ?」
「乙女ゲーの存在意義を完全否定!?」
「それに、私、まだ学生ですし。
一ヶ月に一回くらいは、料理学校に通ってます」
「ラッキーちゃん……ちゃんと若い娘なりの青春を送っていたんですね」
「はい、学生兼講師として、お金を貰って生徒達に料理を教えてます」
「ちょい待てぇー!?可笑しいでしょ!?」
「私より料理が上手な人に遭遇した事がありませんし。
だから私が講師になるのも仕方ない事なんです。
料理の神様すら、私から見れば赤子同然なんですよ?」
そう言いつつ、フライパンでタマゴを焼きながら街角を曲がった。
そうすると茶髪のイケメン転校生がそこに居た。
彼は走っている。ラッキーへ正面衝突するコースだ。
衝突すれば運命的な恋愛イベントが待っている――
「えいっ!」
「パピプペポッ!」
ラッキーは容赦なくフライパンで転校生の顔面を殴った。転校生が地面に激しく倒れる。
そして、すぐに冷たい視線でラッキーは転校生を見下した。
「私に、わざと衝突する気満々でしたよね?
危険な不審者は死んでくださいっ!」
「こらぁー!その人は転校生属性のイケメンですよ!
乙女ゲーで、『あいつ嫌な奴!』状態から始まって、『実は良い奴だったんだ!素敵!』って感じで付き合う人気ポジションです!
恋愛漫画だと定番すぎる存在なんですよ!」
イエローが現実からツッコミを入れた。
ラッキーはフライパンに卵を割って中身を入れ、首を傾げる。
「……転校生?」
「親の都合で、他校から転校してくる子供ですよ!
なんで知らないんですか!」
「学費は子供が稼ぐ社会なのに、なんで親の都合で転校なんてするんですか?」
「しまった!
僕の常識は、宇宙がある異世界の常識だった!忘れてください!」
ラッキーは、とりあえず道が分からなくて困っていたから、フライパンで焼いていた卵焼きを転校生に食べさせる事にした。
精霊さん達が皿をだし、そこに卵焼きを置き、塩で味付けする。
「これは、道案内の料金です。
私を学校に連れて行ってください、転校生さん」
「え?」
呆けた顔の転校生。
ラッキーは絶対零度の冷えすぎた視線を彼に向けた。
「……フライパンでもう一回殴られたいですか?
それとも熱湯被ります?」
「た、食べますっー!
な、なにこれ旨すぎるぅっ!
製作者ぁー!俺はゲームキャラである事をやめたぞぉぉ!!
ウリィィィィィィ!」
イケメン転校生はタマゴ焼きを食べた瞬間――大宇宙の存在を確信し大暴走。茶髪が金髪になり、体中からオーラが吹き荒れてスーパーサイヤ人状態。
プログラム上の存在に過ぎないのに、一つの生命体として確立。
電子の世界で料理を探求する熱血料理人となった。
心もイケメン化した転校生は、道路に跪き頭を下げる。
「俺を弟子にしてください!」
「私の弟子になりたいなら、私の弟子のところで修行してバトルして、一人前になってから来てください。
アナタは料理人の卵ですらありません。
教えるのはそれからです」
そして、未だに一度もデレてない。女主人公ラッキー。
イエローはどうやって恋愛を教えれば良いのか分からなくて困った。
「この娘、色々と駄目過ぎる……。
なんで恋人がいるんだ……?」
本好きによるワンランク上の内政チート! の凄さを纏めてみた
http://suliruku.blogspot.jp/2015/11/blog-post_24.html
本好きによるワンランク上の内政チート! 、主人公「敵軍が罠に突撃して包囲殲滅されているぞ!?」敵「馬鹿になる魔法の餌食になってもうた」
http://suliruku.blogspot.jp/2015/11/blog-post_53.html
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(´・ω・`)二度目の修正はゆっくり後日
返信削除(´・ω・`)毒料理の達人出せば良かった・・