40話 幕間「冬将軍がinしました」

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公開日: 2016年12月1日木曜日 ゲーム風スキルは異世界最強なんだよ! 自作小説





ゆっくり次に進むよ!


二章  ゴブリン略奪共同体40万 VS 獣人50人

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草原に雪が降る。
芸術的な氷の結晶ダイヤモンドダストという自然災害が、野生動物や人間を問わず凍りつかせる中――略奪共同体は大騒ぎになっていた。
……どうして、こんな所に人が住んでいるんだろう……。
簡単に寒さで体調を崩す生き物なのに、環境適応能力が高すぎるっ……。

「大変ッスー!隊長ぉー!
前衛集団が!前衛集団が!」

分厚い防寒着を着たゴブリン娘のバンドが、隊長であり恋人であるオグドに声をかけた。
ゴブリンの性別は、猿の性別並にどうでも良いが、恐らく、胸のサイズが少し違うのだろう。
つまり、皆、貧乳である。
お尻に尻尾はやはり生えていない。

「とうとう……遊牧民族に襲撃されたのか?
だが荷車要塞の防御があれば、対処できるはずだ」

オグドは相変わらず、タバコを暖房器具代わりにしてパカパカと吸っていた。
吐いた煙がハートマークになっている所が、エロ紳士でチャーミング。

「隊長違いますっー!凍ったままぁっー!立っているんですっー!
寒すぎてっ!立ったまま凍死しましたー!
氷の彫像になってますー!」

「な、なんだってー!?」

冬の草原地帯の非常識さに、オグドは驚愕している様子を見せた。
寒すぎる場所で生活をした事がある人なら理解できるかもしれないが……定期的に、即死級の寒さと風が訪れる地域が現実にはある。
家屋の中で焚き火をしても死ぬ、外にいたら凍って即死、大量に暖かい食べ物を用意してないと死ぬ。
大自然は生物に厳しいのだ。
……これらの問題は家屋を改造すれば解決できる問題だが、建築費や暖房費が嵩むから、貧乏人には辛すぎる世界だなぁ……

『犬さん、寒い地域で暮らしていた事を……覚えているようだな……』
『獣人でも対策なしだったら、さすがに冷凍睡眠しちゃうお……』

「もっと防寒着が必要ッスー!隊長ぉー!
ちょっと休憩しただけで、部隊単位で死んでますよー!」

「うむ、確かに寒いな……。
おい、バンド……その肌を見せてみろ」

「え、はい?
いや、あのその、こんな所でエッチな事は……」

「は、肌が凍っているっ……!」

「ええぇぇぇ!?なんだってぇぇぇぇ!?
乙女の柔肌がぁぁぁぁぁぁ!」

「これが……北方の冬将軍という奴か……恐ろしいな……
全く妨害に合ってないのに、とんでもない大被害だ……
とりあえず油を塗っておけ。油は凍り辛いから多少はマシだろう。
死体はしっかり回収するように」

オグドは冷静だった。どこかで聞いた事があるのか、効果がある策をすぐに打つ。
というか、自分だけ身体に油を塗っていた。自身で試して確証を得られたから話したのだろう。
……でも、油すら凍りそうな気候だからさ……焼け石に水な気がする……。

「死体は凍っていて食えないっス!!
凍った死体を焼いて食べるのが大変で、森の隣を進んでいるのに、薪が全く足りません!
人間どもはどうやって暮らしているんすっかぁー!」

「……捕虜を捕まえられると良いのだが……。
遊牧民族はアレだな。機動力がありすぎて、距離を詰めるのが難しい。
あっという間に遠い所へと逃げてしまう……」

「川も凍っているせいで!水を温めるのにっ!すごい大量の薪が必要になって足りませんー!
寒いせいで水の消費は半分以下で済みますけど、食料の浪費が1.5倍に跳ね上がっているッスー!
食べないと死ぬって情報が伝わってから、食用ゴブリンの数が激増していますー!
遊牧民は本当どうやって生活しているッスかー!?」

「うむ……確か聞いた事がある。
遊牧民族はウンコを乾燥させて、燃やして暖を取っているそうだ……」

「ま、まさか……ウンコが燃える……?」

「試しにウンコを荷車に運んでみよう。
乾燥したら燃料になるのか実験だ」

「た、隊長……人間どもは一体、どんな大魔境に住んでいるっスか……?」

「逆に考えるんだ。
私たちが辛いなら、人間達も辛い。
そう考えるんだ」

「そ、そうっス!
遊牧民が攻めてこないのも、この冬の気候のおかげに違いないっす!」

安心しようとするバンドだったが、楽観論で行動すると破滅するのが、この世界の基本的な仕様である。
考えてもらいたい。楽観的に考えるという事は対策をしない事だ。
大軍は大勢であるが故に『自分以外の誰かがやってくれるだろう』と思い込む奴らが大量発生するデメリットがある。
ネガティブな思考を持たないと、指導者なんてやってられないのだ。
オグドはすぐに現実主義者な脳みそを動かし、ありえそうな未来を語った。

「いや、遊牧民族は……夏は北の大地で過ごし。
冬になれば渡り鳥のように南下して略奪を働くと聞く。
私たちは南側を中心に移動している訳なのだから、いずれこの辺りを支配する王の軍勢と遭遇するかもしれない」

「た、隊長ぉー!
俺達、どうなるんすっかぁー!?」

「耐えろ、耐えるのだ。
帝国の地につけば、豊かな穀倉地帯が広がっているはずだ。
それまで耐えて生き延びろバンド」

「た、隊長ぉ……ブァックションっ!」

感動したバンドだったが、あまりの寒さにクシャミをしていた。
大量の鼻水がオグドの顔に降りかかり、名場面が台無しである……いや、ゴブリン同士の愛情劇なんてどうでも良いのだが。
これが顔がワンコで、尻尾が生えている奴らだったら素晴らしいのに……。
もっとモフモフだったら、邪神軽油で交信しまくって、冷気が通らないような分厚いコートを作って配布しろってアドバイスして放置していたと思う……。

『材料がない件について』
『60万匹の衣料品を生産するのを諦めた犬さんだお……?』

あと、この草原を邪神の体を使って見ているから分かる事があるんだが……このままゴブリンの略奪共同体が西に進むと――


右賢王率いる遊牧民族の戦士10万   

↓↓↓
     
        ☚ゴブリン60万


……二つの大集団が遭遇して、ひどくえらい目に合うだろうなぁと思った。
略奪共同体、ほとんど素人だし、兵士の割合が2割だと考えると――勝ち目はないと思う。
広い草原で鉢合わせとか、確率的には少ないかもしれないが……どっちも大軍。
それだけの人数を潤す水源沿いに、移動したら両軍とも衝突するぞ…これ……。

「ワァン様ー!昼食の用意ができましたよー!
今日は肉たっぷりの鍋ですー!」

モーニャンの声が響いた。僕の意識が遠い草原ではなく、モフモフ村の自宅の暖炉でゆっくりしている自分の身体へと戻る。
ゴブリンたちは苦しんでいるが、僕は苦しくない。
今から僕は新しく設置した食堂で、豊かなモフモフ食事ライフだ。
暖かい食事は、僕に幸福を与えてくれる。
可愛い狐娘は、僕にモッフモフをくれる。
今日の仕事が終わったら、存分に尻尾をモフり合おう。
あー、なんて僕は幸せなのだろうか。冬に戦争する馬鹿達と付き合わずに済んで良かった。
これはきっと、努力した僕へのご褒美なのだろう。
肉鍋、うまひ。
鹿肉の燻製肉がとっても、じゅーしー。暖かいスープが体をポカポカゆわわーい状態にしてくれる。
この当たり前の生活をずっと続けたいなぁ……。
ずっと冬だったら良いのに……

『犬さん!?ずっと冬は暮らし辛いお!?』
『氷河期が来て欲しいなら、隕石落としでワンチャンス』



読者がクリックしたくなるような作品タイトル
http://suliruku.blogspot.jp/2016/10/blog-post_19.html




 ★(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)遊牧民とゴブリン、どっちが勝つと思います?

●(´・ω・`)ゴブリン側は勝利しないと追撃されて絶滅じゃから、遊牧民が有利じゃな。

★(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)(隣に森があるし、そこに逃げ込めばワンチャンス?)

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二章  ゴブリン略奪共同体40万 VS 獣人50人


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18 件のコメント :

  1. (´・ω・`)眠たいから、細かい修正はゆっくり明日

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  2. 野生のシカとか狐もたったまま冬将軍にKOされる、ウォーズマン状態。
    冬に、マイナス10度だと暖かいとか言い出すロシア人。ベルホヤンクスとか、よく生きていけますよね、最低気温-69度とか、吐く息も凍るそうです。

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    1. (´・ω・`)(ご先祖様が暮らしやすい土地から追放されたせい)

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    2. てっきり、昔は温暖だったとか言うのかと。ウンゲリラ島なんて、キンポウゲが生えててマンモスが居たそうです。
       1580年:シベリアで山賊退治の騎士達が毛の生えた大きな象を目撃。

       こういうの見ると、ファンタジーだなあと思いますよね 冒険者とか

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    3. (´・ω・`)人間は住みやすい場所に移動して住み着く生き物

      じゃ、なんで寒い地域に人が住んでいるの?

      豊かな地域から追い出されたんじゃね?って思考したパルメ

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    4. エスキモーとか 先住民は旧石器時代を近代までつづけてたんですねー
      老人は自分から死地に行ったり、奥さんを貸し出したり、パルメさん
      上手く書きそう。
       人類は元々そうやって合理的に生きてきたんですかね。NTRエスキモー 

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    5. 草原の民パルメ(´・ω・`)ワシは老いて死なぬ!
      死ぬ瞬間まで、草原を駆けて死ぬ!それが草原の勇者の定め!では去らば!

      孫(´・ω・`)(´・ω・`)お爺さんー!?

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    6. モンゴル式の貴人の死に方がドン引きですよね 袋に入れて 馬に踏まれて死ぬ

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    7. チンギス(´・ω・`)ジャムカっ……!

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  3. 邪神軽油……
    邪神印の軽油で火を点けて
    あたたかーいしてあげるのだろうか?
    なお直接燃えたり有害物質で死にまくる模様

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  4. 右賢王とかまんま匈奴やんw
    単于の左右が右賢王左賢王なのにどう見ても脳筋集団な件w
    何処が賢いねんw

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    1. 芸術とか科学とか文化とか外交は脳筋なんだけど、戦う時はIQが300になる ゴキブリみたいな脳みそとか

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    2. 匈奴由来だろうけど、
      高句麗だったか百済だったかにも有ったよ。

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  5. この世界はダイヤモンドダストが自然災害なのか・・・・現実では騒ぐほどの寒さではない証明みたいな現象なのに。

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    1. (´・ω・`)おおげさに表現しているパルメ(´・ω・`)

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    2. この世界の気候変動は
      きっと聖闘士が放ってる必殺技なんだよ
      それなら即死級なのも納得だよ

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    3. 野営前の気温がマイナス15度→野営中、一気にマイナス40度とかで、立ったまま冬将軍にKOされる。

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マザーテレサ(ノ●ω●) 人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない。 自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。