Lv26「不死王の世界征服⑨~大虐殺、決定~」 【この中に一人っ!ラスボスがいる】●LV9999億の骸骨
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公開日: 2016年9月1日木曜日 この中に一人っ!ラスボスがいる! 自作小説
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ホネポ首相は、常に無表情の男だ。
笑った所を見た人間は誰もいない。
だから不気味な奴だ。そういう評価を帝国の皆から受けている。
だが、ホネポの心の奥底では、大いなる焦りがあった。
この星に、タコっぽい宇宙人の船が、何隻もやってきた大騒動が発生してから、世界征服を早く済まさなければいけないと思い焦っている。
技術が遥かに格下の文明が、格上の文明と対峙した時、そこには必然的な破滅がまっている事なんて、歴史を見れば誰だって理解できた。
(世界統一の速度を速めなければならぬ……。
恐らく、宇宙では大航海時代が始まっているはず。
このままでは、帝国も宇宙人どもに侵略されて、我々アンデットと人類にも未来がない……)
明晰な頭脳を大回転させて、ホネポは最も良い方法を考えつく。
そうだ、ドリームワールドを作り上げた偉大な神であり、死の支配者であるワルキュラ様の力を借りよう。
あの方は、とっても慈悲深いお方だが、恐怖で統治する必要性を十分にお分かりのはずだ。
人間達も、陛下の力の恐ろしさを知れば、二度と逆らう気を無くすはず。
だが、単純に破壊や殺戮のために使えば、それは強い反発を呼び、統治をより困難にさせるだろう。
国益に繋がって、いざという時の言い訳ができる方法……そうだ、道路建設はどうだろうか?
国力は物を生産し、物が流れ、その流れから税金を取る事で発生する。
陛下の力で、人間王国を貫く巨大道路を作り上げれば、抵抗する人間達の数は激減。
その上、物流が盛んになって、配送の仕事が増えて失業者も減り、暫くの間は好景気になるはずだ。
まさに一石二鳥。
早速、専門家達に議論させた後に、陛下にお頼み申し上げよう。
ホネポは、鉄仮面のように無表情な顔のまま、仕事の充実っぷりに満足した。
~~~~~~~~~
「陛下の魔法サン・レイで、道路を作って頂きたいと、王国から要請がありました」
二日後の早朝、ホネポは宮殿にあるワルキュラの部屋へと行き、議論に議論を重ねた企画書を提出する事にした。
犠牲者を最小限に留め、なおかつ、旧人間王国の人間達が恐怖する内容である。
ワルキュラは企画書を手に取り、数ページめくって、骨の指の動きを止めた。どうやら内容を完全に把握したようだ。
さすがは偉大なるお方。頭の動きも異常に早いと、ホネポは感心する。
「道路建設……ふむ?
サン・レイで道路……?
え?あれを道路建設に使うだと!?」
ワルキュラ様の驚きは当然だと、ホネポも思った。
サン・レイ。太陽の光を超凝縮して放つ――陛下専用のプログラミング魔法。
その威力は山脈を一撃で溶かし、小惑星ですら長時間の照射には耐え切れずに溶けきる。
隕石迎撃用にアトリ殿がお作りになられた。
やろうと思えば、人間王国どころか、惑星中の人間を皆殺しにできる。
サン・レイの凝縮光を、縦にゆっくりずらしながら発射するだけで、惑星が真っ二つになるのだから。
「サン・レイを本当に……こ、工事に使うつもりなのか?王国は?」
「はい、その通りでございます、ワルキュラ様」
「な、なるほど、王国側も覚悟があるという事だな……ならば、よし。
オ、レ、もやってやろうではないか、うむ。
王国のコルベール宰相という輩は、中々に『思い切りすぎた人間』のようだな?ホネポ」
ワルキュラのわざとらしい問いかけで、ホネポは悟った。
恐らく、陛下は、企画書の内容を見ただけで、今回の本当の目的が分かってしまったのだろう。
王国からの要請は、コルベール宰相を脅迫して出させ、サン・レイの閃光が貫く予定の大地は、主要都市群から少し離れた場所になるようにしてある。
つまり、犠牲者は最小限で済み、恐怖を必要なだけ王国民に届ける内容なのだ。
きっと、陛下は、この事を瞬時に見抜いて、わざとらしい口調をなさったのだろう。そうホネポは確信し、ワルキュラを心の中で褒め湛えた。
(なんたる洞察力……。
瞬時に全てを見抜いておられる……。
やはり神に等しい存在なのだろうか……?)
「おい、ホネポ。
思ったのだが……」
ワルキュラの疑問の声を聞き、ホネポは意識を瞬時に切り替えて、一言も聞き漏らさないように意識を集中させた。
「道路を建設するよりも、この地図の北にある大きな湖まで、一直線にサン・レイをぶち込んだ方が良くないか?
自動車を売ろうにも、買ってくれる購買層が少ないだろう?
なら、道路より水路を作った方が良いではないか?サン・レイを使った後に出来るのは大きな溝だから、道路としては不適格だ(※水は低い場所を流れるから、雨が降ると川になる)
水路ならば、生活用水としても使え、小舟を浮かべれば大きな道路代わりになるはずだ」
そう言って、ワルキュラは地図に一本の道を描いた。
瞬時に、ホネポは死の支配者の意図を読む切る。
あ、これ、人間王国の主要都市群と、その隣国の遊牧国家の移動型首都を一直線にぶち壊すコースだと。
陛下は必要最小限の犠牲では、恐怖政治のやり方としては中途半端だと、この地図上に書かれた一本の線で語りかけておられるに違いない――ホネポは戦慄し、無表情のまま震えた。
「お、おお!さすがは陛下っ……!
私めの浅知恵でしたっ……!
感激の極みっ!」
「う、む、水路の方が良いだろう?」
「必要最小限(の犠牲)ではなく、必要最大限の結果(きょうふ)を選びなさるとは……まさに真の帝王でございます。
まだまだ私は甘うございました」
ホネポ案なら、犠牲者は最大10万程度で済むはずだった。
だが、主要都市群がある場所をサン・レイで貫通するワルキュラ案なら、二次災害の犠牲者を含めれば100万を越える上に、巨大遊牧国家まで降伏するか、逃げ出すかのどちらかの選択を選ぶしかない。
必要ならば、何百万だって殺せる。やはりワルキュラ様には悪の帝王の名が相応しいと、ホネポは確信せざる負えなかった。
「ホネポ。
民草のためならば、俺は最大限の努力をするだけだ。
道路や水路作りは、序盤にやらないと立ち退き交渉で、とんでもないお金がかかるから、王国側の気持ちも分かるぞ、うむ。
短い橋の建設ですら、立ち退き交渉で2億ほどかかって大変だったようだからな。
こういうのは、安く出来る時にやった方が良いのだろう」
「ははっ!
……サン・レイの巻き添えで死亡した人間はどうなさいますか?」
「う、む、一気に何千kmも水路を掘る訳だから、どうやっても犠牲者は出るだろう。
犠牲者は蘇生してスケルトンにしてやれ。
もちろん、地下都市で教育を受けさせてやるのだ――無料でな。
王国の未来のためとはいえ、殺した俺たちが悪いのだ。生活が安定するまで、月に5万アヘンほど支給してやれ。
あ、金持ちの場合は相応の代金を払わせて、エルフにしてやるのだ。
格差は可能な限り、抑えるように努力せよ」
(なるほど、王国の人民を百万人単位で処分して、スケルトンにして教育した後に送り返して、王国民が団結できないように統治なさる訳ですな……。
そして、金持ちは全財産没収してエルフ転生鍋に放り込むという事か……
しかし……本当に恐ろしいほどに冷酷なお方だ。
さすがは我らの主……)
「それでは、後は任せたぞ、ホネポ。
サン・レイは何時でも撃てるが、避難勧告を事前にやらないと不味いからな。
しっかり、民草が犠牲にならないように、避難誘導を頑張るのだ。わかったな?」
「ははぁっ!了解しました!」
ホネポの耳には、ワルキュラの言葉は、こう聞こえていた。
『避難勧告をしたから、サン・レイで死ぬ奴らは自己責任。
避難せずに巻き込まれた奴らが悪い』と、聞こえてしまった。
~~~~~~~
首相官邸に戻った後、心の躍動感を抑えきれないホネポは呟いた。
「陛下にとって、人間は文字通り『草』という意味ですな。
さすがは偉大なる死の支配者。
帝国の統治は、恐怖こそ最高の礎になる……。
私は、まだまだ、あそこまで及ばないな……私なら……無意識に必要最小限の道を選んでしまう……」
部屋の電話の音が、ベルを叩いたような音を響かせた。
ホネポは受話器を取り、耳に当てる。
「もしもし首相閣下でしょうか?
こちらD123です。
ご報告を申し上げます……人間王国のオレルアン公爵が反乱を起こしました」
受話器から聞こえたのは、王国に送り込んだドッペルゲンガーの声。
とっても好都合なイベントが発生して、ホネポは嬉しかったが、その顔はやはり全くの無表情。
「人間王国だと?そんな国は公式には存在しない」
「では、なんと呼びましょうか?」
「ニンゲン地方、その呼び名が相応しい。
属国の統治に、最大限の恐怖と絶望がいる。そう……陛下は行動で示しなされた」
ひと呼吸置いて、ホネポは言葉を続けた。
「これより8日後。
サン・レイを『ニンゲン地方』と北の遊牧国家へと向けて放つ。
反乱軍をサン・レイ射線上の都市へと誘導せよ。
恐らくタコ型の宇宙人どもも、その光景を見る事になるはずだ。
この星には、キサマらの想像にも及ばない力があるという事を教えてやるのだ」
ワルキュラ☚知らず知らず、現地の都市の配置分布を知らずに、大量虐殺計画を練ってしまった人
「う、む、水路の方が良いだろう?(経済がよく分からんから、不安そうにしている)
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(´・ω・`)眠たいから、修正はゆっくり明日
返信削除(´・ω・`)修正完了。
削除リアルコロニーレーザーよー
意外に悪く無いんじゃない?
返信削除遊牧民族が家畜と供に水辺に定住して船を利用できる
そんな巨大運河の建造予定ってことよね?
交易なんて船あった方が大量に輸送できるから
下流域への輸送とか捗って交易に弾みつくかもしれんけどw
商機見れる商人なら船だしそうだけどなw
あと下手に自業自得で勧告無視して頃した人間分の補償を
態々直接するより日本のODAみたいにして資金援助を行い
灌漑やインフラ整備を行えば定住できる農耕民族になれるし
場合によっては人気出そうだけどなw
まあ情報隠ぺいは必須だろうけどw
伝統守って遊牧民してる人も有るけど
ずっと移動するのしんどいとか言ってる人もいるみたいだし
そういう人に選択肢与えるのも良いんじゃないかな
あと運河作っても貯水池だけの水量で流水量足りるのかってのもある
その運河を賄える伏流水なり何なりの地下から沸く水や
若しくは山から流れる複数の支流などが集まるようなところでも無けりゃ
その巨大湖(仮定)でサイクルするだろう水だけで
巨大運河を賄えるのかって問題もあるからね
チベット高原など複数の高原などからから流れ出す雪解け水
また地下水などで流水量賄うから大河が維持されてるんであって
そうでないなら黄河や揚子江などの大河にはならんからね
まあ設定自体がまだ無いから
後から遊牧民が大きな山岳部を移動してるなりの設定つけ足せば
済むような話だけどねw
(´・ω・`)これを書いている時、水の流出の方が多いと思うから、現実みたいに砂漠化するだろうなぁと思った。
削除(´・ω・`)(遊牧民が住んでいる場所だから、土地は荒廃しているはずだし、どうしよう)
(´・ω・`)更に北にある、共産国の湖と合体させればワンチャンス……
ビーム兵器で土地貫いて地形変わったから
削除それにより雪解け水などが流れ込む複雑な地形になったとかにすればいいじゃないの?
地形変動により地下水の保水してる岩盤の水道貫いて
水の通り道出来たとかでもいいだろうしw
ただ標高の高い山や高原なり何なりあり
周りから雨が多量に山脈や高原で降る環境あるかどうかが一番問題になってくるだろうけど
そこまで求める奴っていないと思うw
(´・ω・`)しゅ、主人公補正で、海に流れていた水を、内陸部に引っ張ったという事にすれば、全問題かいけつ なのだ
削除ワルキュラ(´・ω・`)偶然、運河に相応しい湖だった。良かった。
首相(自然と地形まで予測した上で、水路建設なされたのか……)
熱で地面がガラス化しそうですね。
削除そうすれば水の流出も少なくならない・・・?
自然災害(´・ω・`)か、川の流れが、ガラスを削るからワンチャンス……
削除