034「都市長、黒幕っぽい事をする」 」 【ネット通販は異世界最強なんだよ!(勘違い)】
1 件のコメント :
公開日: 2016年6月23日木曜日 ネット通販は異世界最強なんだよ!(勘違い) 自作小説
ゆっくり次に進むよ! |
【ネット通販は異世界最強なんだよ!(勘違い)】 ☚まとめたページ
スエズ運河。
偉大なる先史文明が、膨大な数の農民を犠牲にした果てに作りあげた巨大運河。
しかし、悠久の時が過ぎ去り、運河は土に埋もれて綺麗さっぱり消え、代わりに一つの港町に、その名を残している。
商人による自治都市スエズだ。
この地域の海上交易網の要であり、膨大な富がここには流れ込んでくる。
豚人間も、その富の輝きと、可愛い娼婦達の魅力に屈する以外の道はなく、今の所はこの地は平和だ。
そう、平和だった。
だが、それは破られそうになっていると、都市長であるタヌキモンは、実感するしかない。
各地にいるスパイから届けられる情報が――港町の北部の村々が、強大な力を持った妖精によって、次々と征服されているという事実(笑)を裏付けているからだ。
「これは困ったぞ。困ったぞ」
あまり困ったように見えないタヌキモン――青い狸は、牛革張りのソファーに身体を横たえた。
小さくて軽い体型のせいで、少ししか沈まない。名前の通り、狸らしい毛むくじゃらの顔をしている。
「本当に困った事になったぞ。
情報があまりにも少なすぎる。
これでは、どのような賄賂を贈れば良いのか、分からないではないか」
商人の武器は、情報と富と人脈だ。
情報が無ければ、確実な利益を上げられない。ゆえに狸顔を少し歪めて、困ったふりをする。
どうせ、情報はやってくるのだ。
スパイ達は金を得るためならば、雇い主すら売る輩。
情報は待っていれば、必ずやってくる。
ちょうど、執務室の外から――扉を軽く叩く音がした。
「都市長、亡命を希望している豚人間が来ております」
それは聴き慣れた、年老いた執事の声だ。
タヌキモンは、情報を持ってきた存在が、醜悪すぎる化け物だった事に、顔を嫌そうに歪めた。
だが、情報はお金になる。だから、すぐに利益の天秤にかけて、商人らしくお金を優先する。
「武装を解除させて、ここに寄越せ。
……ちなみに、その豚人間が所属していた集団は?」
(´・ω・`)なお、次の章の敵が『惑星破壊級の化け物』でござる。
アメリカ合衆国ごと、地球をぶっ壊せる感じ。
妖精さん (´・ω・`)難易度ばっかり上げてどうするんだ!?
スエズ運河。
偉大なる先史文明が、膨大な数の農民を犠牲にした果てに作りあげた巨大運河。
しかし、悠久の時が過ぎ去り、運河は土に埋もれて綺麗さっぱり消え、代わりに一つの港町に、その名を残している。
商人による自治都市スエズだ。
この地域の海上交易網の要であり、膨大な富がここには流れ込んでくる。
豚人間も、その富の輝きと、可愛い娼婦達の魅力に屈する以外の道はなく、今の所はこの地は平和だ。
そう、平和だった。
だが、それは破られそうになっていると、都市長であるタヌキモンは、実感するしかない。
各地にいるスパイから届けられる情報が――港町の北部の村々が、強大な力を持った妖精によって、次々と征服されているという事実(笑)を裏付けているからだ。
「これは困ったぞ。困ったぞ」
あまり困ったように見えないタヌキモン――青い狸は、牛革張りのソファーに身体を横たえた。
小さくて軽い体型のせいで、少ししか沈まない。名前の通り、狸らしい毛むくじゃらの顔をしている。
「本当に困った事になったぞ。
情報があまりにも少なすぎる。
これでは、どのような賄賂を贈れば良いのか、分からないではないか」
商人の武器は、情報と富と人脈だ。
情報が無ければ、確実な利益を上げられない。ゆえに狸顔を少し歪めて、困ったふりをする。
どうせ、情報はやってくるのだ。
スパイ達は金を得るためならば、雇い主すら売る輩。
情報は待っていれば、必ずやってくる。
ちょうど、執務室の外から――扉を軽く叩く音がした。
「都市長、亡命を希望している豚人間が来ております」
それは聴き慣れた、年老いた執事の声だ。
タヌキモンは、情報を持ってきた存在が、醜悪すぎる化け物だった事に、顔を嫌そうに歪めた。
だが、情報はお金になる。だから、すぐに利益の天秤にかけて、商人らしくお金を優先する。
「武装を解除させて、ここに寄越せ。
……ちなみに、その豚人間が所属していた集団は?」
「ボコハラム党の族長です」
「ボコハラム党……!?
ま、まさかっ……!?」
「女の子の顔をボコボコにした後に、種付けするのが趣味の変態集団と聞いております」
都市長は、嫌そうな顔を、さらに、とっても嫌そうに歪めた。
(全く……豚人間の中でも、特にタチが悪い性癖ではないか……。
出来れば、オッパイ党辺りの連中がくれば良かったものを……ああいう平和な集団ならば、幾らでも支援してやるのだがな。
……そういえば、最近来ないな。オッパイ族長。
素晴らしい巨乳エルフ娘と巡りあったと連絡してきてから、音沙汰がない……。
恐らく、死んだのか、『夢幻』らしく、力に飲まれたのだろうか?
これだからジャイナなぞという邪神を信仰する輩は困る)
タヌキモンは、そのオッパイ族長が、既にあの世でゆっくりしている事を、後日、知る事になる。
肉体を分離して、バラバラ死体状態で行動できる豚人間をどうやったら、倒せるのか、検討もつかなかったが。
~~
部屋に案内された豚人間は、背丈が3mはありそうな巨漢だ。
この世で最も厄介な化け物――『夢幻』ではあったが、能力は戦闘の役に立たない、とっても平和な力だ。
白濁な液体を作る能力。それを美少年に浴びせると、とっても可愛い美少女になる。ただ、それだけ。
豚人間の間では、とっても好評で、白濁な液体が高値で取引されていて、ボコハラム族長もよく港町に、売りに来ていた。
「タヌキモン殿には、大変お世話になっているブヒィ。
今度も助けて欲しいブヒィ。
性転換薬なら、今日から半額で売るブヒィ」
「ボコハラム殿。
まずは何があったのかをお聞かせ願いたい。
商談はそれからです」
タヌキモンは、目の前の豚人間に、嫌悪感を感じながらも、不敵そうに微笑んだ。
そうすると、ボコハラム族長は、鼻息を荒くして話を始める。
「と、とんでもない、絶世の美少女だったブヒィ。
銀髪が輝いていて美しい妖精だったブヒィ」
「は?」
「でも、とんでもない妖精だったブヒィ。
俺は何も悪い事をやっていないのに、いきなり山を砕く魔法で、俺達を生き埋めにしたブヒィ。
次に出会ったら確実に殺されると思って、ここに急いでやって来たという訳ブヒィ」
「よ、よく生きておられましたな」
「運命の神様は俺の味方ブヒィ。
たくさんの美少女をボコボコにして孕ませる、俺の平凡な趣味にケチを付けて殺そうとする……頭が可笑しい妖精娘だったブヒィ。
捕まえる機会があったら、綺麗な顔をボコボコにして、たっぷり、子種を流して込んでやるブヒィ」
「……ボコハラム殿。
俄かには信じれない話ですなぁ。山を砕く魔法を使えば、どんな存在でも、『運』を消費し尽くして、破滅してしまうでしょうに」
魔法は、運を消費する。短期間に大量に消費すれば、悲惨な末路が待つ。
かといって、夢幻の力を扱えるのは、豚人間や、それから派生した化け物だけだ。
つまり、妖精娘が犯人だとすると、山を砕いたのは、魔法とも、『夢幻』とも違う力という事になる。
謎は深まるばかり。タヌキモンの頭脳が、もっと情報を求めている。
(妖精にそんな事ができるはずがない。
きっと、妖精の近くに、夢幻の力を持った化け物が近くにいた。
恐らく、目の前の豚が勘違いしているのだろう。
女に目がない役立たずね)
タヌキモンが黙っている間も、ボコハラム族長は話を好き勝手に続けている。
「でも、本当の事ブヒィ。
俺の所以外も、次々とやられて、もう地獄ブヒィ。
俺が小さい頃から苦労して、美少女を誘拐して作り上げたハーレムライフが、卑劣な手段で終わってしまって残念ブヒィ」
「大変でしたなぁ。
それで?他に何か情報は?」
「妖精娘は、この世の者とは思えないくらい美しい女の子だったブヒィ。
あの顔をボコボコにして、孕ませてやりたいブヒィ。
美しい顔を見るだけで、股間が元気になるブヒィー」
「はははは。
ボコハラム殿は好きですなぁ。
それで……他に何か情報は?」
「そういえば、シルバーって名乗っていたブヒィ。
女の子らしくない名前で残念だったブヒィ。
俺の嫁になったら、シルって改名させて、俺の子種をずーと飲ませ続けてやるブヒヒヒヒッ!」
巨漢の豚は、肥溜めのような印象を植え付ける笑い方をした。
タヌキモンは、商売時の営業スマイルで、内心の怒りと、憎悪を隠す。
(俺は、貴様に煮えたぎった溶岩を飲ませてやりたいな……。
全く、この世界は汚れている。
こんな豚どもと取引しないと、存続できない都市に、意味があるのだろうか……?
繁殖力が旺盛なだけの豚め。
諸悪の権化の人間どもと一緒に消えてなくなればいいものを……)
~~~
一通り、豚人間から情報を聞き終えたタヌキモン。
彼は、『用済み』になったボコハラム族長に、冷たい笑みを見せて、高級な調度品で溢れた部屋から追い出そうと――
「それではボコハラム殿。
案内人を付けるので、ぐっすり宿でおやすみください。
可愛いエルフの美少女が待っておりますぞ。
幾らでも殴っても構いませぬ」
「それはありがたいブヒィー!
これからも世話になるブヒィー!
心の友ブヒィー!」
「ええ、こちらこそお願いしますぞ。
存分に、エルフ娘でお楽しみください」
そう言ってタヌキモンは、ボコハラム族長を椅子から立たせ、部屋から追い出した。
とても自然な流れだったから、ボコハラム族長は追い出された事に気がつかない。
自分の意思で、部屋の外に出た。そうとしか思えなかった。
タヌキモンは、執事に命令して、部屋の窓を開けさせ、両目を瞑り、静かに耳を澄ませる。
数分すると――家の外で、豚の醜い悲鳴が上がる。ボコハラム族長の声だ。
「お、お前らは何をするブヒィー!
ぎゃぁー!俺の逞しい腕がぁぁぁぁ!!
や、やめるブヒィー!
俺が死んだら、この世界は終わりブヒィィー!この世は暗黒に包まれ――ぶぴっ!」
醜い豚は死んだ。
そう、すぐに理解したタヌキモンは、心の底から安らぎを感じ、ソファーに身を沈める。
役に立たない豚人間を、すぐに処分した。ただそれだけだ。
「貴様の能力が暴走すれば、都市中、女の子だらけになってしまう。
たくさん儲けさせてもらったが、今日でおさばらだ。ボコハラム。
自分が『夢幻』である事を恨むが良い」
このような醜い記憶を残すのも勿体無い。そう思ったタヌキモンは、すぐに次の課題に取り掛かる。
美しい妖精娘。それ自体は良い。
豚人間のほとんどが言うように、可愛いはやはり正義なのだ。
だが、問題は――とんでもない武力を持った何かがいるという事実。
山を砕く力。これはありとあらゆる戦術を無意味にし、数の暴力を封殺できる事を意味する。
夢幻だとしたら厄介だ。下手したら、このエジプトの大地は――先史文明の頃のような、砂漠地帯に戻るかもしれない。
「ふむ……困ったな。
このままでは俺は、考えすぎて過労死するやもしれん。
情報があっても、どう活かせばいいのやら……」
『夢幻』には、惑星すら理論上では破壊できる存在がいるという。
そんな存在がいたからこそ、繁栄した先史文明は崩壊したのだ。
正直、タヌキモンの知恵では、これ以上、何も思い浮かばない。
もっと情報が欲しかった。
「いや待てよ?
妖精娘が近くにいたという事は……少なくとも自我がある『夢幻』か。
つまり交渉できるという訳だな。
たくさん亜人の美少女を用意すれば、なんとかなるだろう。
『夢幻』なら、きっと豚人間に違いない。あの下半身の欲求に正直すぎるバカどもの事だ。
きっと、すぐに俺の重要性とやらに気づくであろう。
山を砕く力があれば、豚人間を一掃できるやもしれんなぁ」
部屋に、静かな狸声が響く。
ボディガードさん達は、最初から最後まで、ずっとこの場にいたが、会話をする機会がなかったから、存在感がゼロだった。
『妖精さん!あんな所に、港町がありますぞ!』
『あっひゃー!海上交易網で儲けて美味しそうだぁー!』
『アラビアン~』
「港かぁ……いいなぁ……
きっと、金銀財宝がたくさんあるんだろうなぁ……」
「ボコハラム党……!?
ま、まさかっ……!?」
「女の子の顔をボコボコにした後に、種付けするのが趣味の変態集団と聞いております」
都市長は、嫌そうな顔を、さらに、とっても嫌そうに歪めた。
(全く……豚人間の中でも、特にタチが悪い性癖ではないか……。
出来れば、オッパイ党辺りの連中がくれば良かったものを……ああいう平和な集団ならば、幾らでも支援してやるのだがな。
……そういえば、最近来ないな。オッパイ族長。
素晴らしい巨乳エルフ娘と巡りあったと連絡してきてから、音沙汰がない……。
恐らく、死んだのか、『夢幻』らしく、力に飲まれたのだろうか?
これだからジャイナなぞという邪神を信仰する輩は困る)
タヌキモンは、そのオッパイ族長が、既にあの世でゆっくりしている事を、後日、知る事になる。
肉体を分離して、バラバラ死体状態で行動できる豚人間をどうやったら、倒せるのか、検討もつかなかったが。
~~
部屋に案内された豚人間は、背丈が3mはありそうな巨漢だ。
この世で最も厄介な化け物――『夢幻』ではあったが、能力は戦闘の役に立たない、とっても平和な力だ。
白濁な液体を作る能力。それを美少年に浴びせると、とっても可愛い美少女になる。ただ、それだけ。
豚人間の間では、とっても好評で、白濁な液体が高値で取引されていて、ボコハラム族長もよく港町に、売りに来ていた。
「タヌキモン殿には、大変お世話になっているブヒィ。
今度も助けて欲しいブヒィ。
性転換薬なら、今日から半額で売るブヒィ」
「ボコハラム殿。
まずは何があったのかをお聞かせ願いたい。
商談はそれからです」
タヌキモンは、目の前の豚人間に、嫌悪感を感じながらも、不敵そうに微笑んだ。
そうすると、ボコハラム族長は、鼻息を荒くして話を始める。
「と、とんでもない、絶世の美少女だったブヒィ。
銀髪が輝いていて美しい妖精だったブヒィ」
「は?」
「でも、とんでもない妖精だったブヒィ。
俺は何も悪い事をやっていないのに、いきなり山を砕く魔法で、俺達を生き埋めにしたブヒィ。
次に出会ったら確実に殺されると思って、ここに急いでやって来たという訳ブヒィ」
「よ、よく生きておられましたな」
「運命の神様は俺の味方ブヒィ。
たくさんの美少女をボコボコにして孕ませる、俺の平凡な趣味にケチを付けて殺そうとする……頭が可笑しい妖精娘だったブヒィ。
捕まえる機会があったら、綺麗な顔をボコボコにして、たっぷり、子種を流して込んでやるブヒィ」
「……ボコハラム殿。
俄かには信じれない話ですなぁ。山を砕く魔法を使えば、どんな存在でも、『運』を消費し尽くして、破滅してしまうでしょうに」
魔法は、運を消費する。短期間に大量に消費すれば、悲惨な末路が待つ。
かといって、夢幻の力を扱えるのは、豚人間や、それから派生した化け物だけだ。
つまり、妖精娘が犯人だとすると、山を砕いたのは、魔法とも、『夢幻』とも違う力という事になる。
謎は深まるばかり。タヌキモンの頭脳が、もっと情報を求めている。
(妖精にそんな事ができるはずがない。
きっと、妖精の近くに、夢幻の力を持った化け物が近くにいた。
恐らく、目の前の豚が勘違いしているのだろう。
女に目がない役立たずね)
タヌキモンが黙っている間も、ボコハラム族長は話を好き勝手に続けている。
「でも、本当の事ブヒィ。
俺の所以外も、次々とやられて、もう地獄ブヒィ。
俺が小さい頃から苦労して、美少女を誘拐して作り上げたハーレムライフが、卑劣な手段で終わってしまって残念ブヒィ」
「大変でしたなぁ。
それで?他に何か情報は?」
「妖精娘は、この世の者とは思えないくらい美しい女の子だったブヒィ。
あの顔をボコボコにして、孕ませてやりたいブヒィ。
美しい顔を見るだけで、股間が元気になるブヒィー」
「はははは。
ボコハラム殿は好きですなぁ。
それで……他に何か情報は?」
「そういえば、シルバーって名乗っていたブヒィ。
女の子らしくない名前で残念だったブヒィ。
俺の嫁になったら、シルって改名させて、俺の子種をずーと飲ませ続けてやるブヒヒヒヒッ!」
巨漢の豚は、肥溜めのような印象を植え付ける笑い方をした。
タヌキモンは、商売時の営業スマイルで、内心の怒りと、憎悪を隠す。
(俺は、貴様に煮えたぎった溶岩を飲ませてやりたいな……。
全く、この世界は汚れている。
こんな豚どもと取引しないと、存続できない都市に、意味があるのだろうか……?
繁殖力が旺盛なだけの豚め。
諸悪の権化の人間どもと一緒に消えてなくなればいいものを……)
~~~
一通り、豚人間から情報を聞き終えたタヌキモン。
彼は、『用済み』になったボコハラム族長に、冷たい笑みを見せて、高級な調度品で溢れた部屋から追い出そうと――
「それではボコハラム殿。
案内人を付けるので、ぐっすり宿でおやすみください。
可愛いエルフの美少女が待っておりますぞ。
幾らでも殴っても構いませぬ」
「それはありがたいブヒィー!
これからも世話になるブヒィー!
心の友ブヒィー!」
「ええ、こちらこそお願いしますぞ。
存分に、エルフ娘でお楽しみください」
そう言ってタヌキモンは、ボコハラム族長を椅子から立たせ、部屋から追い出した。
とても自然な流れだったから、ボコハラム族長は追い出された事に気がつかない。
自分の意思で、部屋の外に出た。そうとしか思えなかった。
タヌキモンは、執事に命令して、部屋の窓を開けさせ、両目を瞑り、静かに耳を澄ませる。
数分すると――家の外で、豚の醜い悲鳴が上がる。ボコハラム族長の声だ。
「お、お前らは何をするブヒィー!
ぎゃぁー!俺の逞しい腕がぁぁぁぁ!!
や、やめるブヒィー!
俺が死んだら、この世界は終わりブヒィィー!この世は暗黒に包まれ――ぶぴっ!」
醜い豚は死んだ。
そう、すぐに理解したタヌキモンは、心の底から安らぎを感じ、ソファーに身を沈める。
役に立たない豚人間を、すぐに処分した。ただそれだけだ。
「貴様の能力が暴走すれば、都市中、女の子だらけになってしまう。
たくさん儲けさせてもらったが、今日でおさばらだ。ボコハラム。
自分が『夢幻』である事を恨むが良い」
このような醜い記憶を残すのも勿体無い。そう思ったタヌキモンは、すぐに次の課題に取り掛かる。
美しい妖精娘。それ自体は良い。
豚人間のほとんどが言うように、可愛いはやはり正義なのだ。
だが、問題は――とんでもない武力を持った何かがいるという事実。
山を砕く力。これはありとあらゆる戦術を無意味にし、数の暴力を封殺できる事を意味する。
夢幻だとしたら厄介だ。下手したら、このエジプトの大地は――先史文明の頃のような、砂漠地帯に戻るかもしれない。
「ふむ……困ったな。
このままでは俺は、考えすぎて過労死するやもしれん。
情報があっても、どう活かせばいいのやら……」
『夢幻』には、惑星すら理論上では破壊できる存在がいるという。
そんな存在がいたからこそ、繁栄した先史文明は崩壊したのだ。
正直、タヌキモンの知恵では、これ以上、何も思い浮かばない。
もっと情報が欲しかった。
「いや待てよ?
妖精娘が近くにいたという事は……少なくとも自我がある『夢幻』か。
つまり交渉できるという訳だな。
たくさん亜人の美少女を用意すれば、なんとかなるだろう。
『夢幻』なら、きっと豚人間に違いない。あの下半身の欲求に正直すぎるバカどもの事だ。
きっと、すぐに俺の重要性とやらに気づくであろう。
山を砕く力があれば、豚人間を一掃できるやもしれんなぁ」
部屋に、静かな狸声が響く。
ボディガードさん達は、最初から最後まで、ずっとこの場にいたが、会話をする機会がなかったから、存在感がゼロだった。
『妖精さん!あんな所に、港町がありますぞ!』
『あっひゃー!海上交易網で儲けて美味しそうだぁー!』
『アラビアン~』
「港かぁ……いいなぁ……
きっと、金銀財宝がたくさんあるんだろうなぁ……」
(´・ω・`)なお、次の章の敵が『惑星破壊級の化け物』でござる。
アメリカ合衆国ごと、地球をぶっ壊せる感じ。
妖精さん (´・ω・`)難易度ばっかり上げてどうするんだ!?
ゆっくり次に進むよ! |
【ネット通販は異世界最強なんだよ!(勘違い)】 ☚まとめたページ
【小説家になろう】 「俺は軍勢の鎧を脱がせて無双する!」異世界征服 ~異世界に転移したので略奪スキルで商人を目指していたら世界を掌握していた件~
http://suliruku.blogspot.jp/2016/04/blog-post_952.html
【内政チート】「俺はグリボーヴァルシステムで、大砲を規格化してチートする!」18世紀 のフランス
http://suliruku.blogspot.jp/2016/04/18.html
(´・ω・`)未来の勘違い要員でござる。
返信削除タヌキモン(´・ω・`)ば、馬鹿な!
タバコだとっ……!
妖精さん(´・ω・`)これなら中毒性があるから金になる!